インドで労働争議が頻発 進出企業の大きな悩みの種に

インドで労働争議が頻発  進出企業の大きな悩みの種に
 インドでいま賃金改定を巡る労使交渉が難航し、労働争議が頻発、労働者保護に手厚いインドの事情も加わって、多くの進出企業で大きな悩みの種になっている。
 トヨタ自動車のインド工場が3月17日から生産を一時停止した。賃金改定を巡る労使交渉が停滞し、組合員による生産妨害行為が発生。そこで、会社側が施設を一時閉鎖して従業員を閉め出す”ロックアウトに”踏み切ったのだ。
 労使紛争は決してトヨタだけではない。この種の労務リスクは多くの進出企業が直面し、避けられない課題になっている。米ゼネラル・モーターズ(GM)の現地工場でも今年1月にストが勃発。独自動車部品大手ボッシュの工場も13年11月にストで工場の操業を一時停止する争議があった。
 インドの労働争議件数は10年に約370件。少なくとも延べ100万人以上の労働者が争議に参加したとされる。経済成長に伴い、待遇改善を求める労働者の声が高まっているためだ。加えて、インド固有の事情も絡んでいる。手厚い労働者保護だ。現行のインド労働法は、労働者に対する解雇を厳しく規制している。経営側が正当な理由に基づき解雇を通知した場合でも、訴訟や新たな争議に発展することも多いという。