フィリピン依存から脱却へ バナナの輸入先に新顔
日本の食卓に定着しているバナナの輸入先の構図が変わり始めている。輸入業者が調達先の多様化に取り組み始めているのだ。新たに登場しているのがベトナム産やアフリカ東部のモザンビーク産で、スリランカ産の輸入も検討されている。
日本のバナナ市場といえばフィリピン産が圧倒的な比重を占めてきた。2013年の輸入量98万㌧のうち、実に93%がフィリピン産だ。その他ではエクアドル4%、台湾・ペルーなどが3%という構成。様々な輸入果実がスーパーなどの店頭に並ぶようになったが、戦前から輸入され日本の食卓に定着しているバナナは変わらず、フィリピン産頼みの市場だった。
今回、輸入業者が調達先の多様化に取り組むきっかけになったのが、フィリピンのバナナ生産地が12年末と14年初めに相次いで台風の被害を受け、値上がりしたことだった。加えて中国がバナナ消費国として台頭、フィリピンから輸入を拡大したことも、輸入業者に調達先の多様化を促している。