発電・燃料などに膨らむ需要で熱帯びるLNG輸入

発電・燃料などに膨らむ需要で熱帯びるLNG輸入

 エネルギー需給が逼迫するインドで、液化天然ガス(LNG)の輸入事業を巡る争いが熱を帯びている。火力発電所や自動車の燃料、肥料の原料として膨らむLNG需要を賄うには、海外からの調達に頼らざるを得ないためだ。インドの天然ガス消費は今後年2割のペースで増えていくとみられ、同国の主要エネルギー関連企業が入り乱れて成長市場になだれ込んでいる。日本経済新聞が報じた。

 インド西部グジャラート州、工業団地を抱える港町ダへジに同国最大のLNG輸入基地がある。そびえ立つ巨大貯蔵タンクは4基。その隣の空き地で新たにタンク2基を建てる工事が始まっている。同基地を運営するペトロネットLNGは1月、受け入れ能力を現行の1.5倍の年1500万㌧に増やすことを決めた。完成目標は2016年。

 資源開発を手掛けるインド石油天然ガス公社(ONGC)は南部に輸入基地新設を検討。インドガス公社(GAIL)も米シェールガスを調達する計画。両社はペトロ社の株主で、出資先の事業領域に手を突っ込む格好だ。とくに時価総額5兆円の巨大企業、ONGCの参入は“本家”ペトロ社にとって大きな脅威になる。まさにLNG輸入を巡る企業の動きは“仁義なき争い”の様相を呈している。