遂に中国の住宅在庫が近年の最大規模に

遂に中国の住宅在庫が近年の最大規模に

 中国の不動産研究機関の上海易居房地産研究院(上海市)のまとめによると、中国の全国主要都市の住宅在庫が過去5年間で最大規模にまで膨れ上がっていることが分かった。不動産市況の軟化傾向に伴い、買い手の様子見ムードが広がっており、このままでは資金繰りが悪化しかねない不動産業者は焦りを強めている。経済参考報などが伝えた。

 同研究院が全国の35の重点都市を対象に行っている調査によると、4月末時点の住宅在庫面積は計2億4891万平方㍍に達し、前月末を2.6%、前年同期を19.5%上回った。28都市で前年同期より在庫が拡大しており、中でも江西省南昌市では68.6%、山東省済南市では63.8%それぞれ増加するなど、これらのほかにも尋常ではない増え方をしている都市が目立つ。

 販売に対する在庫の割合を示す在庫率は、4月は35都市の平均で15.2と前月の13.9から大きく上昇した。この結果、在庫を完全に消化するまでには15.2カ月掛かることになる。前月より在庫率が上昇したのは30都市で、中でもせっ江省温州市は42.4、広東省茂名市は33、遼寧省丹東市は32に達し、不動産市況に全く改善の兆しがうかがわれない状況の中で、いずれも在庫消化に3年前後も要する高い水準となっている。