日本製造業の中長期的な事業展開先にインドネシアが急上昇
国際協力銀行(JBIC)が実施した調査報告によると、日本製造業の中長期的な事業展開先としてインドネシアが急上昇している。将来的に有望な事業展開国・地域として、インドネシアは前年度の5位から3位に浮上した。
今後3年程度の中期的に有望な事業展開先でインドネシアを挙げた企業は514社中215社だった。洪水の影響を受けたタイ、インフラ整備が課題として大きいベトナムを抜き、東南アジア諸国連合(ASEAN)で首位となった。今後10年程度の長期的な展開先としても、387社中149社がインドネシアと回答した。
従来から進出先として人気の高かった国のうち、中国では政治リスクの顕在化や労働コストの上昇、他社との競争激化などがあり、インドでは現地で操業する日系メーカーの収益満足度が低迷しており、進出をためらう傾向がみられるという。
インドネシアを有望国として注目する理由として、208社のうち83.7%が「現地マーケットの今後の成長性」と答え、前回の81.6%から上昇基調を続けた。ただ、その一方で首都ジャカルタを中心に最低賃金の急上昇が伝えられる状況を反映してか、「安価な労働力」は5.7ポイント低下し40.4%となった。