巡礼者預金の不正流用疑惑で宗教相が辞任表明

巡礼者預金の不正流用疑惑で宗教相が辞任表明

 巡礼者預金を不正流用した疑いで汚職疑惑がかけられていたインドネシアのスルヤダルマ宗教相は5月26日、辞任を表明した。同容疑者周辺の約100人に預金や国費で旅行させた可能性も新たに浮上。汚職撲滅委員会(KPK)の捜査では、同容疑者の親族や同容疑者に近い国会議員、宗教省職員ら約100人が政府主催の巡礼ツアー制度を悪用してメッカを旅行した疑いがあることが判明。この際、必要経費の水増し、偽装工作なども指摘されている。地元メディアが報じた。

 巡礼予定者が積み立て、宗教省が運用する巡礼預金は極めて透明性が低く、常に汚職疑惑が取り沙汰されてきた。金融取引報告分析センター(PPATK)によると、巡礼預金は80兆ルピア規模に膨らんでおり、利息が2.3兆ルピア程度ある。この利息分の流用が指摘されてきており、少なくとも2300億ルピアに不正な取引が認められるという。