中越の領有権巡る主張は平行線 対立解けず

中越の領有権巡る主張は平行線 対立解けず

 中国の楊国務院委員(外交担当、副首相級)は6月18日、ベトナムの首都ハノイ市でファム・ビン・ミン副首相兼外相ら同国の首脳らと相次ぎ会談した。5月初めに南シナ海の石油掘削強行を巡って中越対立が激化して以来、両国がようやく本格協議のテーブルについた。ただ、中国外務省やベトナム国営テレビの報道によると、領有権を巡る主張は平行線をたどり、対立は解けなかった。   

 この会談の中で楊氏は「西沙(パラセル)諸島は中国固有の領土だ」と改めて主張した。さらに、そのうえで西沙近海での中国側の石油掘削は「完全に合法で国家主権と海洋権益を守り、安全で順調な作業を確保するため、あらゆる必要な措置をとる」と述べ、作業を続ける考えを鮮明にした。

 一方、ベトナム側はグエン・タン・ズン首相が楊氏との会談で、中国の石油掘削が「ベトナムの主権を著しく侵害して人民の反感を招き、その心を傷つけた」と強く非難した。