中国で一人っ子政策緩和 29地方政府が条例施行

中国で一人っ子政策緩和 29地方政府が条例施行

 少子高齢化に直面する中国が一人っ子政策の緩和を進めている。緩和策は全土に広がり、31ある省・直轄市・自治区のうち、29の地方政府が6月までに関連条例を施行した。内容は夫婦のどちらかが一人っ子なら第2子まで出産を認めるというものだ。ただ、30年以上も続いた人口抑制策により、各地で出産制限は残り、産まない選択は広がっている。それだけに、急速な少子高齢化の流れを修正するには時間がかかりそうだ。

 今回の人口抑制策転換の背景には、急激に進む少子高齢化と、それに伴う労働力不足への危機感がある。中国の労働年齢人口(15~59歳)は2012年から減少に転じており、このまま推移すれば経済成長にブレーキをかける恐れがある。一方、65歳以上の人口は12年時点で全体の9.4%。国連の推計では40年に22%台に達し、日本並みの超高齢社会となる。