パキスタンで首相退陣求め数万人のデモ隊が座り込み
パキスタンのシャリフ首相が勝利した2013年5月の総選挙で、不正があったなどとして首相の退陣を求める数万人のデモ隊が、8月16日未明から首都イスラマバードで無期限の座り込みを始めた。政権はデモ隊の背後に軍部の影を感じ取り、発足1年余りで最大の政治危機への対応に苦慮している。
デモ隊を主導する野党第2党「正義運動(PTI)」のイムラン・カーン党首は約300㌔離れた東部ラホールから約40時間かけて16日未明、首都に到着した。豪雨の中で丸1日以上待った支持者を前に「シャリフ首相の選択肢は一つしかない。辞任と再選挙だ。それまで座り込む」と宣言した。
高まるデモ勢力の圧力にシャリフ首相は「議会こそが1億8000万人(の国民)を代表する。決める場所は路上ではない」と述べ、辞任要求を拒否。治安当局は多数の貨物用コンテナで道路を封鎖し、デモの圧力が政治中枢施設のある地域に及ぶのを阻止する構えだ。