カイハラ初の海外拠点 タイに高級デニム工場
デニム素材大手のカイハラ(広島県福山市)は同社初の海外工場を、タイ西部ラチャブリ県ラチャブリ工業団地内に建設し、2016年1月に稼働させる。投資額は約90億円。「カイハラデニム」のブランドで定着している製品を東南アジア諸国で販売する。高級デニム需要を喚起することで、生産開始から5年後の21年2月期の売上高を70億円とする考えだ。
工場を運営する現地法人「カイハラ・タイランド」を今年3月に設立。資本金は5億円。10月に10億円まで増資する計画で、現地で原材料供給や物流業務で協業する東レグループからの出資受け入れを検討している。工場の敷地面積は約14万平方㍍、建屋面積は約5万平方㍍。工期を4期に分け設備を拡充していく。15年中に試運転を終え、16年初頭の稼働を見込む。
操業開始の従業員数は約170人を予定。染め糸を日本から輸入し、現地で織布、整理加工する。稼働当初のデニム生産量は月間50㍍規模となる見通し。18年までに現地で染色加工体制を構築。また、原糸を同国内調達に切り替え、20年に従業員を約400人に増員し、150㌢幅のデニム素材を月間150万㍍生産する。
カイハラは現在、日本で生産したデニム素材を米国、中国など世界20カ国以上に輸出展開している。これにより海外売上比率は約3割となっているが、新設するタイ工場の稼働後は同比率を5割まで引き上げる計画だ。中国新聞などが報じた。