高成長そして迷走の10年 ユドヨノ大統領あす退任
インドネシアのユドヨノ大統領(65)が10月20日、2期10年の任期を終えて退任し、ジョコ・ウィドド氏に引き継ぐ。ユドヨノ氏は1998年のスハルト政権崩壊後の混乱を収めて経済を成長させ固めたが、終盤は指導力が低下し政権が迷走した。
ユドヨノ氏は2004年、史上初の直接投票による大統領選で当選。同年12月、死者行方不明者17万人を出すインド洋大津波が起きたが、被災したスマトラ島北部の独立武装組織「自由アチェ運動」から和解を引き出した。爆破テロを繰り返すイスラム過激派組織も力で抑え込んだ。
社会が安定すると人口2億5000万人の個人消費に支えられ、経済は内需主導型の成長軌道に乗った。毎年6%前後の高い成長を記録。リーマン・ショック後の影響も比較的少なく、世界中から有望な投資先として熱い視線を集めた。しかし、任期後半は不祥事が足を引っ張った。側近や閣僚3人が相次いで汚職で摘発された。その結果、任期は急落、4月の総選挙で与党民主党は第1党から第4党に転落した。