住友重機械 韓国に納入の陽子線治療システム始動
住友重機械工業は5月25日、韓国サムスングループの基幹病院であるサムスンメディカルセンター(ソウル市)に納入した陽子線治療システムによるがん治療が開始されたと発表した。
陽子線は荷電粒子線の一つで、水素の原子核である陽子を高エネルギーに加速することで得られる放射線だ。陽子線を人体に照射した場合、一定深さで急激にエネルギーを放出し、消滅させるという、一般的な放射線治療で使われるX線にはない物理特性がある。
陽子線治療は放射線治療の一種だが、ピンポイントの照射が可能で、近接する重要臓器や周囲の正常組織に悪影響を与えずに、がん組織のみに十分な線量を投与することで、副作用の少ない治療が可能だ。
国立がん研究センター東病院に1997年、国内初(世界で2番目)納入されて以降、現在までに日本、台湾、韓国の7施設に納入(一部予定含む)されている。