ANA 4年ぶり客室乗務員の採用活動再開 旅行需要回復で 

全日本空輸(ANA)は6月1日、4年ぶりに客室乗務員の採用活動を再開した。全社では新型コロナウイルス禍で、在籍社員を外部へ出向させるとともに、この間、客室乗務員の採用活動を取りやめていた。しかし、国内の観光需要の回復や、国際線の観光およびビジネスを含めたインバウンド(訪日外国人)需要が戻りつつあることから、2024年春に卒業予定の新卒採用選考で430人程度を採用する。同社全体の採用人数も610人と前年の6.7倍に増やす。

鹿島, 東工大などとフィリピンでサンゴ礁の再生プロジェクト始動

鹿島と東京工業大学は5月31日、フィリピン大学ビサヤ校と共同で、気候変動と人間活動の影響により衰退危機にあるサンゴ礁の保全と再生を目的としたプロジェクト「InCORE(インコア)」を始動したと発表した。
同プロジェクトでは東工大の数値シミュレーション技術を用いたサンゴ礁の環境評価と、鹿島のサンゴ再生技術「コーラルネット(R)」に、現地の生態系に詳しいフィリピン大学ビサヤ校の知見を融合する。実施期間は1年半。実施場所はフィリピン・パナイ島アクラン州タンガラン沿岸地域。
同プロジェクトはアジア開発銀行(ADB)の国際公募サンゴ再生事業に採択されている。

JR西日本 7月から中途採用の年収水準引き上げ 現場の専門性重視 

JR西日本(本社:大阪市北区)は5月31日、7月から鉄道車両の運転や整備などを担当する中途採用職員の年収水準を引き上げると発表した。これにより、30年の社会人経験がある人の場合、採用時の年収を340万円から560万円へ220万円引き上げるという。
同社はこれまで、鉄道運行の現場では専門性を重視して、主に他の鉄道会社で勤務した経験のある人を中途採用していた。同社は2024年度に840人の新卒採用を計画する一方、23年度中に550人の社会人採用を計画している。

安川電機 米Oishii社と資本業務提携し植物工場を完全自動化へ

安川電機(本社:福岡県北九州市)は5月31日、Oishii Farm Corporation(本社:米国ニュージャージー州、以下、Oishii社)と30日に資本業務提携したと発表した。
Oishii社は米国ニュージャージー州を拠点に、いちごを製造・販売するベンチャー企業。将来的にいちごの完全自動生産の実現を目指している。
今回の両社の資本業務提携で、Oishii社が今後建設予定の工場で行う全行程(播種・育苗〜収穫・検査〜箱詰め・出荷)の自動化の取り組みに対して、安川グループが持つロボットなどの製品およびソリューションを提供していく。

トヨタ 米電池工場に2,900億円追加投資 米国でEV生産も公表

トヨタ自動車は6月1日、2025年に米国ノースカロライナ州で稼働させる予定の電気自動車(EV)向け電池工場に21億ドル(約2,900億円)を追加投資すると発表した。同工場への追加投資は2回目で、同工場への投資総額は合わせて59億ドル(約8,200億円)に達する見込み。
また、2025年からケンタッキー州の工場でEVの生産を開始することも公表した。生産するのは新型の3列シートのSUV(多目的スポーツ車)。バイデン政権は1台あたり最大7,500ドル(約100万円)のEV販売補助金の対象を、北米生産車に限っていることから、自動車メーカー各社が米国生産に乗り出しており、トヨタ自動車も生産拡充に動く。

東電HDとトヨタ EV用蓄電池活用の定置用システム開発, 実証へ

東京電力ホールディングス(本社:東京都千代田区、東電HD)とトヨタ自動車(本社:愛知県豊田市)は5月29日、東電HDの「定置用蓄電池の運用技術・安全基準」とトヨタの「電動車用蓄電池のシステム技術」を融合した定置用蓄電池システム(出力1MW、容量3MWh)を開発したと発表した。このシステムを豊田通商、ユーラスエナジーホールディングスが、ユーラス田代平ウインドファームへ導入し、今秋から4社が連携して実証試験を開始する。

クラシエ薬品 中国・威海市に2つ目の原薬工場建設 供給力増強

漢方薬を中心とした一般医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品(本社:東京都港区)は5月30日、漢方薬の原料となる生薬の刻み工程と原薬であるエキス粉末の製造工程を持ち、生薬保管倉庫も併設する、中国で2つ目となる工場を中国山東省威海市に建設し27日、その新工場の竣工式を執り行ったと発表した。竣工式には威海市人民政府から副市長ほか約40名、関係取引先企業首脳らが参列した。
威海新工場は最新技術による省人化や効率化を積極的に取り入れ、地球規模の資源・エネルギー事情に配慮した省エネ、CO2排出量の少ない工場。
クラシエ製薬は現在、中国山東省青島市と大阪府高槻市の工場でエキス粉末の製造を行い、富山県高岡市の工場で細粒剤や錠剤などの製剤化と最終製品の包装を行っている。今後の医療用漢方薬並びに一般用漢方薬の国内需要拡大を見越し、中国で漢方薬の供給体制を増強することとした。

積水ハウス建設「24年問題」見据え職人確保へ高卒など採用2倍超

積水ハウス(本社:大阪市北区)の子会社で、戸建て住宅などの施工を担う積水ハウス建設は5月29日、2024年度の高校卒業予定者を中心とした”住宅技能工”(=「クラフター」)の採用の目標人数を、2023年度実績比2倍超となる計95人に増やすと発表した。時間外労働の上限規制が導入される「2024年問題」に備え、予想される職人不足を補うためで、2025年度には計133人とさらに増やす計画。
待遇も見直し、2023年4月入社の高卒初任給も約1割増の17万9,000円とし、若手人材を引き留める。

NVIDIAとソフトバンク 生成AIと次世代プラットフォーム構築で協業

NVIDIAとソフトバンクは5月29日、生成AIと5G/6Gに向けた次世代プラットフォーム構築に向けて協業すると発表した。両社は、生成AIのアプリケーションとサービスの急速かつ世界的な展開を推進するために、コスト削減が可能でエネルギー効率の高いマルチテナントな共通サーバープラットフォームで、生成AIとワイヤレス通信向けのアプリケーションを提供するデータセンターを構築する。

トヨタ 4月世界生産14%増 半導体不足の影響和らぐ

トヨタ自動車が5月30日発表した4月の販売・生産・輸出実績(レクサス含む)によると、世界生産台数は前年同月比14%増の78万7,800台だった。前年実績を上回るのは4カ月連続で、4月としては2019年以来、過去最高を更新した。2022年、年間を通じて自動車業界が直面した工場の一部操業停止をも余儀なくされた新型コロナウイルス禍が収束しつつあるほか、半導体不足の影響が和らいだ。