新日鉄住金、JFEなどが現地で自動車用鋼板

 日本の鉄鋼大手が相次ぎ、インドネシアでの自動車用鋼板生産の検討に入った。日系自動車メーカーが同国を東南アジアでタイに次ぐ拠点として増産投資を進めており、鋼板需要の拡大が見込まれるためだ。自動車メーカーの現地調達の要請に応えるもの。
 新日鉄住金は12月26日、現地国営製鉄会社のクラカタウスチールと合弁で事業化を検討すると発表した。JFEスチールは単独での事業化を検討している。新日鉄住金は近く51%を出資して合弁会社を設立し、用地の手当てを始める。2013年前半にも概要を固める方針。JFEスチールも耐久性が求められる外板などに使う、亜鉛メッキ鋼板などの現地生産を検討している。

大阪製鉄がインドネシアで建設用鋼材で合弁

 大阪製鉄は12月26日、インドネシアで建設用鋼材を生産する合弁会社を設立すると発表した。ビル建設などに欠かせない中小型形鋼や鉄筋棒鋼を現地で生産する考えで、2013年6月までに新工場などの詳細を詰める。合弁会社の資本金は未定だが、大阪製鉄が51%、現地国営製鉄会社クラカタウスチールが49%出資する。大阪製鉄が海外に拠点を設けるのは初めて。

レンゴーがインドネシアに段ボール新工場

 レンゴーは約25億円を投じ、インドネシアで2013年1月に段ボール新工場を稼働させる。現地のグループ会社、スリヤ・レンゴー・コンテナーズ(SRC)が、ジャカルタ東部のカラワン工業団地に新工場を建設、最新鋭の設備を導入し、年間6万㌧の段ボールシートやケースを製造する。これに伴い、現地の生産能力は45%増の年間19万2000㌧と、同国でも最大級になる。
 日系企業や現地の食品、日用品、家電メーカーなどに販売、成長市場の需要を見込む。新工場にはSRCの本社機能も移す。SRCは、現地大手財閥のサリム・グループ傘下の食品大手インドフード60%、レンゴー40%出資の合弁会社。同国にはすでにジャカルタ、スラバヤ、スマランに3つの工場を保有、現在は3工場合計で年間13万2000㌧を生産している。

トヨタがインドネシアでミニバン生産 

 トヨタ自動車は12月11日、インドネシアでミニバン「ノア」の現地モデル「Nav1(ナブ・ワン)」の現地生産・販売を始めたと発表した。後部座席の液晶モニターなどを標準装備した。価格は邦貨換算で約320万円から。月400~500台の販売を目指す。子会社のトヨタ車体が現地工場でノックダウン生産する。

トヨタホーム、来年にもインドネシア進出

 トヨタ自動車の住宅子会社、トヨタホーム(名古屋市)は、2013年にもインドネシアに進出する。同社の海外での本格的な事業展開は初めて。自動車産業の拡大による経済成長や世界第4位の人口を背景に、中長期で同国の住宅需要の増大が見込めると判断した。

百五銀行がBKPMと業務提携 地銀で初

 百五銀行(三重県津市)は12月12日、日系企業の進出を支援するため、インドネシア投資調達庁(BKPM)と業務提携を締結したと発表した。日本の地銀がBKPMと業務提携するのは初めて。インドネシアの投資環境情報を文書やセミナーを通じて投資家に提供するほか、インドネシア企業が日本へ進出する際に金融サービスを提供することも盛り込まれている。

第一生命と富国生命が中堅生保買収に名乗り

 第一生命保険と富国生命保険が、インドネシアの生命保険会社、パニン・ライフの競争入札による株式売却に応じ、同社の買収に名乗りをあげていることが分かった。両社は1次入札を通過した。月内に海外を含めた複数社で2次入札が実施される。買収額は300億円規模になる見込み。パニン・ライフは2011年の収入保険料が約2兆5000億ルピア(約200億円)の中堅生保。

アセアンに進出する中小企業向けに160億円のファンド

 みずほフィナンシャルグループ(FG)と国際協力銀行(JBIC)は東南アジア諸国連合(ASEAN)に進出する中小企業向けを支援するため約160億円のファンドを創設する。支援するのは、インドネシアをはじめタイ、マレーシアなどASEANで事業展開する企業。
 1社当たりの資本支援額は5億~15億円を想定。過半の株式は握らず、少数株主として経営に加わる。年間2~3件を支援する計画で、幅広い業種を対象にする。期間は原則5年。みずほとJBICは海外の拠点網を使い支援先に助言したり、ファンド運営の専門家らを起用して企業価値を高めるという。取引先をはじめ約200社を対象にした関西の有力地銀の調べによると、インドネシア、タイ、ベトナムの3国への進出を検討している企業は約45%に上っている。

大和ハウスが西ジャワ州の工業団地の開発事業に参入

 大和ハウス工業はインドネシアで、現地の不動産開発会社「アルゴ マヌンガル ディベロップメント」から工業団地の開発・造成を手がける子会社「BEST」の株式を約10%取得し、工業団地の開発事業に参入する。
 出資金額は50億円強の見込み。現在、BEST社が西ジャワ州で進めている1350平方㍍の大規模工業団地の開発に参画、団地内の物流施設や生産拠点の施工などを手がける計画。