カルビーが現地食品大手と合弁でジャカルタへ再進出

 カルビーは伊藤忠商事、現地食品大手のウィングスグループ(スラバヤ市)と合弁会社を設立し、2014年3月にインドネシアでスナック菓子の製造・販売を始めると発表した。ジャカルタ近郊に工場を建設、5年後に現地市場で10%のシェア、売上高80億円を目指す。
 合弁会社「カルビーウィングスフード」は資本金2700億ルピア(約22億円)で、ジャカルタで13年3月に設置する。カルビーと伊藤忠商事が出資する特定目的会社とウィングスが折半出資する。カルビーは2008年まで英蘭ユニリーバのインドネシア法人にライセンス供与してスナック菓子を現地販売していた。

有力地銀、現地銀行と相次いで業務提携

 有力な地方銀行が東南アジアの銀行と相次いで業務提携している。横浜銀行はインドネシアに340強の営業拠点を置くバンク・インターナショナル・インドネシアや、タイ最大の商業銀行、バンコク銀行と提携した。七十七銀行はインドネシア4位の商業銀行、バンクネガラインドネシアと提携。静岡銀行はインドネシア5位の銀行、CIMBニアガと組んだ。池田泉州銀行はタイ4位のカシコン銀行と組んだほか、インドネシアのバンクネガラインドネシアとも提携した。いずれも進出後、提携先から得た情報を提供したり、取引先が融資を受けやすくする。

トランスコスモスが合弁でコールセンター事業に参入

 コールセンター大手のトランスコスモスは、インドネシアで現地財閥グループと合弁会社「トランスコスモス・インドネシア」(ジャカルタ市)を来年5月に設立し、コールセンター事業に参入する。合弁先は、現地財閥のサリム・グループ傘下でプロバイダー事業などを手掛けるPTサイバーインドアディタマ(ジャカルタ市)。両社が折半出資するが、資本金は明らかにしていない。
 インドネシア語で対応し、500席体制でスタート。当初は現地に進出している日本など外資系企業からの受託を狙う。現地では経済発展とともに、顧客応答などのコールセンター需要も増加しており、ビジネスチャンスが大きいと判断した。

兼松が合弁、バンテン州でコンビニ向け食品加工

 兼松はインドネシアの食品加工大手、チモリーグループと合弁会社「カネモリー・フードサービス」を設立し、総菜や弁当など最大40品目を生産できる工場を建設、日系のコンビニエンスストア向けに販売する食品加工事業を始める。出資比率は兼松グループ60%、チモリーグループ40%。
 工場はジャワ島西部のモデルンチカンデ工業団地(バンテン州)に建設し、2013年中の稼働を目指す。延床面積は約2000平方㍍。総事業費は9億円程度の見通し。同工場は原料調達から商品開発、製造までを一括で請け負う機能を備え、最大1000店に商品を供給する計画。
 インドネシアではセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどが店舗展開している。

キリンがインドネシア系不動産会社と共同買収へ

 キリンホールディングスは11月15日、インドネシア系不動産会社、オーバーシーズ・ユニオン・エンタープライズ(OUE)と共同で、キリンが株式の約15%を保有するシンガポールの飲料・不動産大手、フレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)を買収する方針を明らかにした。キリンはOUEが実施するF&NへのTOB(株式公開買い付け)に応じ、TOB成立後にF&Nの飲料事業だけを買い取る計画だ。OUEが同日、TOBの実施を発表した。OUEはF&Nの主要事業の一つ、不動産事業を取り込むのが狙い。
 ただ、F&Nを巡っては株式の約36%を握る筆頭株主のタイ飲料大手、タイ・ビバレッジが9月からTOBを実施しており、OUEとキリンの思惑通りに買収が実現できるかは不透明。

太陽工業がジャカルタに営業拠点設置へ

 建築用の大型テントメーカー、太陽工業(大阪市)は年内にもインドネシアの首都ジャカルタに駐在員事務所を開設する。日本人社員1人を派遣し、現地の市場調査を行い、2013年にも営業拠点を設ける計画だ。
 同社の製品はテント状の膜素材と鉄骨でつくる簡易構造の建造物。通常の建物に比べ、設置期間の短縮やコストを低減できるのが大きなメリット。製品や部品の保管に関わる投資をできるだけ抑えたいニーズを持つ日系企業の需要を見込んでいる。

ジャックスがインドネシアで販売金融

 信販大手のジャックスは、インドネシアで消費財の購入資金を融資する販売金融を展開する。バイクローンを手掛けるササナ・アルサ・ファイナンス(ジャカルタ)の株式40%を取得し、役員を派遣する。出資額は約15億円。インドネシアは新車のバイク販売が年間800万台超と日本の20倍の市場。購入者の7割はローンを利用するとされており、日本より厚い利ざやを確保できるという。同社の日本でのバイクローン取扱高は首位。

楽天が小売36社の「日本発」商品を販売 アンテナ店も

 楽天インドネシアは11月12日、インドネシア進出目指す日本の小売業者36社の日本発の商品の販売を開始した。オンラインショッピングサイト「楽天ブランジャ・オンライン」上のほか、中央ジャカルタのモール「グランド・インドネシア」(GI)西館5階に12月9日までの期間限定で、開くアンテナショップ「クール・ジャパン・インドネシア」で販売し、日本発商品の魅力を伝える。経済産業省のインドネシア向けクール・ジャパン戦略推進事業の一環。

トヨタG6社が5年で1000億円投資し生産増強

 トヨタ自動車などトヨタグループ6社は、今後5年でインドネシアで生産増強のため約13兆ルピア(約1070億円)を投資する。同国をタイと並ぶ東南アジアにおける成長市場と位置づけ、生産の現地化など積極投資で収益拡大を目指す。トヨタ本体で2つ目のエンジン工場を建設し、2013年9月には既存工場の生産能力を約2割引き上げる。
 また、同時期に多目的スポーツ車(SUV)などを生産しているカラワン第1工場の生産能力を11万台から13万台に引き上げる。来年稼働の同第2工場を合わせ、生産能力は14年初めに25万台となる見込み。
 生産子会社のトヨタ車体は現地で今年12月から車両組み立てを開始。ダイハツ工業は年内に海外で2カ所目となるテストコースとデザインセンターの建設を始める。
 トヨタグループ6社のインドネシアにおける累計投資額は過去40年余で約27兆ルピアだった。現地の雇用は約3万2000人で、15年には約4万1000人に増える見込み。

出光興産、石炭会社に出資し販売権を取得

 出光興産はこのほど、インドネシアの新興の石炭会社、バラムルチ・サクセサラーナ社(ジャカルタ)に10億円強(3%)出資し、日本を含むアジア向け販売権を取得したと発表した。同国内の同社の炭鉱から発電用石炭を仕入れ、1月にも中国やベトナム向けなどに輸出開始する。早ければ2015年にも年間300万㌧規模を販売し、石炭の総取扱高を現状より約2割伸ばす。
 出光興産はこれまでも他の企業が採掘したインドネシア産石炭を年間数十㌧取り扱っていたが、出資により仕入れを安定させて販売を伸ばす。同社のインドネシアの炭鉱への投資は初。