世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功

世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功

日本などの国際研究グループは4月10日、極めて強い重力で光も吸い込む天体、ブラックホールの輪郭を撮影することに世界で初めて成功したと発表、画像を公開した。撮影したのは、地球から5500万光年離れたおとめ座の「M87」と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホール。
世界各地の電波望遠鏡をつないで、口径がおよそ1万kmという地球サイズの巨大な望遠鏡を構築したことによる成果で、ブラックホールの存在を直接示すものとして世界的に注目されている。日米欧などでつくる研究グループが世界6カ所で同時に会見し明らかにした。

新一万円札「渋沢栄一」など3紙幣デザイン一新へ

新一万円札「渋沢栄一」など3紙幣デザイン一新へ

日本政府は偽造防止などを目的に、一万円札、五千円札、千円札の3種類の紙幣のデザインを一新すると発表した。新たな肖像画には、一万円札に「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、五千円札に日本で最初の女子留学生として米国で学び、津田塾大学を創立した津田梅子、千円札に破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎を使用し、5年後をめどに発行する方針。
紙幣の裏面には、一万円札は東京駅の駅舎、五千円札は藤の花、千円札は葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」がそれぞれ描かれる。
偽造防止のため最先端の技術を用いたホログラムなども導入される予定。紙幣のデザインが一新されるのは平成16年以来となる。5年後の2024年度上半期をめどに発行する。また、五百円硬貨についても偽造防止を目的に、素材を変更するなどした新たなものを2年後の2021年度の上半期をめどに発行する。
なお、二千円札については、現在のデザインが維持される。

新元号は「令和」、出典は「万葉集」

新元号は「令和」、出典は「万葉集」

日本政府は4月1日、平成に代わる新しい元号について、臨時閣議で「令和(れいわ)」とすることを決め、午前11時半すぎからの記者会見で菅官房長官が発表した。また、令和の典拠は日本最古の歌集「万葉集」であると発表した。
この結果、4月30日、天皇陛下が退位し平成の時代が終わり、5月1日、皇太子が即位、新しい令和の時代が始まることになった。
政府によると、新元号に決まった令和の「令」の字が元号に用いられるのは初めてという。また令和は過去に候補とした挙げられたことはないという。

日本の新元号4/1に閣議決定・公表へ

日本の新元号4/1に閣議決定・公表へ

安倍首相は皇位継承に伴う新たな元号について、4月1日に閣議決定し、直ちに公表する方針を固めた。同首相が1月4日に、年頭の記者会見で方針を正式に表明する。
4月30日に天皇陛下が退位され、新元号を定める政令は施行日を皇太子さまが即位される5月1日とし、5月1日午前0時をもって元号は改められる。

正倉院宝物の楽器と類似のゾロアスター教板絵を発見

正倉院宝物の楽器と類似のゾロアスター教板絵を発見

帝塚山大学(奈良市)のチームはウズベキスタン考古学研究所との共同調査で、8世紀初頭に焼失したウズベキスタンにあるシルクロード都市の遺跡「カフィル・カラ城」で、正倉院宝物に似た楽器が描かれたゾロアスター教関連の板絵が出土したと発表した。
木製で縦約1.3㍍、横約1.4㍍の4段構成。最上段に獅子に腰掛ける女神ナナー、下段に”くご”と呼ばれるハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊、火や供物を捧げる人が浮き彫りされている。炭化しているが、祭礼の場面とみられ、同様の板絵が完全な状態で発掘されたのは世界初という。
シルクロード交易を担ったソグド人は、西域文化の日本への伝来に重要な役割を果たしたことで知られ、これらの楽器も似たものが正倉院に伝わっている。
遺跡は中央アジア最大のシルクロード都市があったサマルカンドの東南約30㌔㍍にある。ソグド人の王の離宮で軍事拠点でもあったと考えられる。周辺の火災層や出土貨幣から、710年にイスラム勢力に攻められた際に焼け落ちたとみられる。

ダビンチ 「幻の作品」ニューヨークで公開

ダビンチ「幻の作品」ニューヨークで公開

ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダビンチが代表作「モナリザ」に先立つ1500年ごろに制作したとみられる「サルバトール・ムンディ」という油絵が、今月ニューヨークでオークションにかけられるのを前に11月3日、メディアなどに公開された。
この作品は、深い青色のローブを身に着けたキリストが、祝福するように右手をあげ、左手に水晶を持っている姿が描かれている。17世紀にイギリス王室が所有していたが、18世紀半ばに所在が分からなくなり、1900年に見つかった後も、これはダビンチの作品ではないとされ、2011年にようやく専門家の鑑定によってダビンチのものと確認された。
オークション会社によると、現存するダビンチの16作品のうち、この作品だけ個人が所有しているということで、今月15日に行われるオークションでは1億㌦から1億5000万㌦、日本円でおよそ114億円から170億円で落札されると予想されている。

インドネシアで88年ぶり大型類人猿オランウータンの新種

インドネシアで88年ぶり大型類人猿オランウータンの新種

インドネシア・スマトラ島の森林地帯で大型類人猿オランウータンの新種が88年ぶりに見つかった。イギリスやインドネシアなどの国際研究チームが11月2日付の科学誌カレント・バイオロジーに発表した。
今回見つかった新種はシナモン色で縮れた体毛が特徴で、「タパヌリ・オランウータン」と名付けられた。生息数はおよそ800頭未満とみられる。生息地であるスマトラ島の森林は1985~2007年に約6割も減少しており、絶滅の危険性が高く、研究チームは早急な保護策の必要性を訴えている。
オランウータンはこれまでスマトラ島に生息する「スマトラ・オランウータン」と、海を隔てたボルネオ島に生息する「ボルネオ・オランウータン」の2種が知られている。

世界記憶遺産に「朝鮮通信使」「上野三碑」

世界記憶遺産に「朝鮮通信使」「上野三碑」

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10月31日、歴史的価値の高い文書などを対象とした「世界の記憶」(世界記憶遺産)に、江戸時代の朝鮮王朝が日本に派遣した外交使節「朝鮮通信使」に関する資料の登録を認めた。群馬県高崎市の古代石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」も登録された。
朝鮮通信使は、朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した使節団。対馬(長崎県)や江戸を経て、徳川家康が祀られている日光東照宮(栃木県)まで、一行が通った地域に外交文書や行列の様子を記した絵などが残っており、日韓の関係自治体や民間団体が共同で計333点の登録を申請していた。
このほか、日本が申請していた第2次世界大戦中に数多くのユダヤ人を救った岐阜県出身の外交官、杉原千畝の資料「杉原リスト」は、今回の登録に含まれていないとみられる。

坂本龍馬 剣術大会で対戦の桂小五郎に敗れる 新史料

坂本龍馬 剣術大会で対戦の桂小五郎に敗れる 新史料

前橋市の群馬県立文書館などによると、1857(安政4)年3月1日、江戸・鍛冶橋の土佐藩上屋敷で催された剣術大会で、坂本龍馬と桂小五郎(後の木戸孝允)が対戦し、2対3で龍馬が敗れたと記録する史料が、同館に保管されていることが分かった。
今回の史料は前橋藩領だった上州・中箱田村(現 群馬県渋川市北橘町箱田)で名主を務め、医院も営んだ「根井家」に伝わり、1994年に寄託されたもの。
折り畳んだ縦約16㌢、横約1㍍の和紙で、冒頭に「安政四三月朔日 松平土佐守上屋敷二而御覧」と記載。龍馬らに加え、著名な剣客だった斎藤弥九郎(2代目)や石川孫六、海保帆平ら計43人が一対一で戦った22試合の結果を、毛筆で縦書きに記している。

卑弥呼の外交をテーマに講演・討論会 纏向学フォーラム

卑弥呼の外交をテーマに講演・討論会 纏向学フォーラム

邪馬台国の有力候補地、奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡を調査、研究する同市纏向学研究センターのフォーラム(桜井市主催)が10月29日、東京都千代田区のよみうりホールで開かれた。
今回は邪馬台国の女王・卑弥呼の外交をテーマに講演と4人の討論会が行われ、参加した考古学ファンら約600人が聴き入っていた。大阪大学の福永伸哉教授や俳優で考古学研究者の苅谷俊介さんら4人が、卑弥呼を補佐したとされる「男弟」が外交で果たした役割や、中国の歴史書「魏志倭人伝」に魏から卑弥呼に贈られたとして記された鏡や刀の行方などについて、それぞれ講演した。
その後、寺沢薫・同センター所長の進行で4人が討論。「魏への朝貢は大きな賭けで、国際情勢の転機に乗じて決断した卑弥呼は、傑出した指導者だった」などと活発な意見が交わされた。