トヨタ 満額回答方針 初交渉で社長「認識の相違ない」

トヨタ自動車は2月23日、2022年春闘の第1回労使協議会を愛知県豊田市の本社で開いた。この中で、豊田章男社長は「賃金、賞与について会社と組合の間に認識の相違がない」と語り、事実上、賃上げや年間一時金(ボーナス)の要求に満額回答する方針を表明したという。初回の交渉で満額回答を示唆する発言は異例のことだ。

国連環境計画「大規模な山火事」30年までに14%増も

国連環境計画(UNEP)は2月23日、地球温暖化による気温の上昇と過密な土地利用の広がりに伴い、2030年までに大規模な山火事の発生頻度が最大14%増える可能性を警告する報告書をまとめた。各国政府に対し、火災発生を想定した準備や防止策により多くの投資を振り向ける必要性を訴えている。この報告書は世界の研究者約50人がまとめたもの。

全国52消防で1週間の救急搬送困難6,064件 最多更新

総務省消防庁は2月23日、救急車が到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が14~20日の1週間に全国52の消防で計6,064件に上ったと発表した。前週(7~13日)から324件(6%)増え、6週連続で過去最多を更新した。第5波のピーク時、2021年8月第2週の3,361件を大きく上回り、初めて6,000件を超えた。
オミクロン株による「第6波」の影響で病床や医療人材がひっ迫したうえ、気温の低い日が続き、高齢者が急劇な血圧変化に伴う”ヒートショック”などを起こしやすい状況が重なった影響。

京大 iPS細胞でアルツハイマー病関連遺伝子を特定

京都大学の井上治久教授(神経内科学)らの研究チームは2月21日、アルツハイマー病患者からつくったiPS細胞を使い、病気に関わる複数の遺伝子を特定したと発表した。チームは患者102人の血液細胞からつくったiPS細胞を脳の神経細胞に成長させ、病気を細胞レベルで再現。細胞の遺伝子の働きなどを分析し、特定タンパク質に関係するとみられる24の遺伝子を特定した。さらにこのうち8の遺伝子は特定タンパク質の量の調節に関わることも分かった。
アルツハイマー病は脳内に特定のタンパク質が過剰に蓄積されることが原因とされる。

北京の日本大使館職員 中国当局に一時拘束 外務省が厳重抗議

中国・北京の日本大使館の職員が北京市内で2月21日、公務中に中国当局に一時的に拘束されたことに対し、外務省の森事務次官は外交官の不逮捕特権などを定めたウィーン条約違反にあたる行為だとして22日夜、中国の楊宇駐日臨時大使を外務省に呼んで厳重に抗議するとともに、謝罪と再発防止を強く求めた。
東京にある中国大使館は23日、報道官の談話を発表し「日本の外交官は、中国でその地位にふさわしくない活動を行っており、中国の関係部門が法律に基づいて調査を行った。中国は日本側のいわゆる講義を受け入れない」と反論した。
外務省はこの反論に対し、「拘束された職員は、あくまでも正当な公務を行っていた。中国側の対応がウィーン条約に違反していることは明白であり看過できず、重ねて抗議するとともに、引き続き謝罪と再発防止を求めていく」としている。

日本 1日のコロナ死者初の300人超え 新規感染は減少傾向

厚生労働省などのまとめによると、新型コロナウイルスの感染者の死亡は2月22日、新たに322人が確認された。300人を上回るのは初めて。大阪府では過去最多の63人が死亡した。9割近い56人が70代以上で、60代が4人、50代が3人。
新規感染者は7万人近い高水準だが、1週間前との比較では減少傾向にある。重症者は1,504人で前日から9人増えた。1,500人を上回るのは2021年9月中旬以来。

英GSK製軽症者向け「ソトロビマブ」前倒しで8万人分納入

後藤厚生労働相は2月22日、英製薬大手グラクソスミスクラインが新型コロナウイルスの軽症者向けに製造販売する点滴治療薬「ゼビュディ(ソトロビマブ)」について、8万人分を前倒しで納入したと発表した。うち4万人分はすでに医療機関への配送をい始めており、残りも順次全国に送る。同薬の納入量は2月上旬までに9万人分で、流通量が一気に倍近く増える。今回の8万人分は3月中旬に納入予定だった。軽症や中等症の患者に投与すると、重症化や死亡のリスクを引き下げる効果がある。

中国富裕層 日本産食品を約9割が購入 JFOODO調べ

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が実施した調査の結果、中国富裕層は日本産食品への関心が高く約9割が日ごろから継続的に購入していることが分かった。
これはJFOODOが2021年12月に実施した「中国富裕層に対する日本産食品の購入意向・消費動向調査」で判明したもの。その結果、輸入食品の中で購入するのは日本産が圧倒的に多く、日本産食品に対し「美味しい」「体に良い」「高品質」「栄養が豊富」などの好印象を持ち、約9割が日ごろから継続的に購入している。
中国向けに輸出された日本の農林水産物・食品は新型コロナ禍にあっても2021年は前年比35.2%増の2,224億円となり、すでに幅広い層に日本産食品が受け入れられている。
調査は2021年12月17日~27日、世帯年収100万元(約1,800万円)以上かつ保有総資産1,000万元(約1億8,000万円)以上で、2021年下半期に日本産食品の購入・飲食経験がある中国人を対象に実施された。

大阪高裁 旧優生保護法訴訟 国に賠償命じる判決

大阪高等裁判所は2月22日、旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された関西に住む女性と夫婦の3人が、国に賠償を求めた裁判で、旧優生保護法は憲法に違反すると判断したうえで、「非人道的で差別的であり、人権侵害の程度は強い」などとして1審の判決を取り消し、国に賠償を命じる判決を言い渡した。全国の同様の裁判で、国の賠償責任を認定した司法判断は初めて。
大田晃詳裁判長は「国が障がい者に対する差別・偏見を正当化し、助長してきたとみられ、原告ら訴訟を起こすための情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な環境にあった。除斥期間(賠償請求できる権利のある期間)の適用をそのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反する」として除斥期間を適用せず、原告側の訴えを認めて1審の判決を取り消し、国に合わせて2,750万円の賠償を命じた。