東京工科大 がん幹細胞を識別するAI技術を開発 応用に期待

東京工科大学(本部所在地:東京都八王子市)応用生物学部の杉山友康教授とコンピュータサイエンス学部の亀田弘之教授らの研究グループは6月26日、がん幹細胞と非がん幹細胞を識別する人工知能(AI)技術を開発したと発表した。
これは、培養細胞またはがん組織の位相差顕微鏡画像に写るがん幹細胞の細胞形態をAIが識別して、がん幹細胞を明示することができるもの。がん幹細胞の存在を指標にした医薬品評価や病理組織診断などへの応用が期待される。
この研究成果は2020年6月19日、オープンアクセス学術誌「Biomolecules」に掲載された。

20~30代の4人に1人が「朝食を抜くことが多い」食育白書

日本政府がまとめた2019年度版食育白書によると、日本人の20~30代の若い世代は4人に1人にあたる25.8%が「朝食を抜くことが多い」と回答していることが分かった。
政府は、若い世代の健全な食生活の習慣化を重点課題とし、20年度までに朝食を摂らない人の割合を15%以下とする目標を掲げている。今回は前年度から1.1ポイント低下したが、いぜん目標とはかけ離れている。

柳井氏が京大のがん・ウイルス研究に総額100億円を寄付

カジュアル衣料品「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は6月24日、ノーベル医学・生理学賞を受賞している京都大学の本庶佑特別教授と山中伸弥教授の研究に対して、個人の資産から総額100億円を寄付すると発表した。
本庶教授に対しては、同氏がセンター長を務めるがん免疫総合研究センターの研究費や人件費として、今後10年間、毎年5億円を寄付し、基金として運用する。山中教授に対しては、新型コロナウイルスの感染対策や治療薬の研究に対して5億円、iPS細胞を低価格で提供するための製造設備の建設などに来年度から9年間、毎年5億円寄付するという。

「空飛ぶ車」大阪・関西万博で運航目指す 官民で後押しし加速

日本政府は6月25日、人を乗せて空を移動する「空飛ぶ車」の2023年実用化に向け、安全性の確保や飛行空域の整備など技術および制度面の課題をまとめた論点整理を発表した。経済産業省や国土交通省が航空機メーカーや地方自治体、大学などと設置した官民協議会が24日に第6回会合を開き、これまでの議論を総括した。
これまでにANAホールディングスが2025年大阪・関西万博で空飛ぶ車での旅客輸送サービスの提供を目指すと表明しており、官民挙げて技術開発や条件整備を加速する。

リニア新幹線27年開業はずれ込む公算大 JR東海・静岡県の会談平行線

リニア中央新幹線の静岡県内の工事の未着工問題をめぐり、静岡県の川勝平太知事とJR東海の金子慎社長は6月26日静岡県庁で初会談した。
工事による大井川の流量低下や生態系への影響などについて、静岡県がが懸念を示し、同県内の工事は中断している。JR東海が6月中の着手が必要としていたトンネル(8.9km)の準備について、川勝知事は準備工事の再開に明確な言及を避けたまま、会談は平行線となり結論は出なかった。この結果、JR東海が目指す品川-名古屋間をわずか40分で結ぶ、リニア中央新幹線の2027年開業は遅れる公算が大きくなった。

新型コロナ 経済再開で世界の感染者増加ペース加速 死者50万人に迫る

米国ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、米国東部の6月26日午後4時(日本時間27日午前5時)時点の新型コロナウイルスの世界全体の累計感染者数は968万2,000人、死者数は49万1,000人に上った。同大は毎日、感染者数などを過去に遡って修正している。ニューヨークなどに比べ感染者数が少なく、早期に経済活動を再開した米国南部やインドで、ここへきて新規感染者数が急拡大しており、新興国でも感染者増加のペース鈍化の兆しはみえていない。
世界全体の1日あたりの新規感染者数は6月25日集計分で約17万8,000人で、19日の約18万人に次いで過去2番目の水準を記録している。国別の1日あたりの新規感染者数では米国が4万人に迫り、ブラジルをわずかに上回り世界最多となった。3番目のインドは約1万7,000人で、3日連続で過去最多を更新している。経済活動再開と感染抑止の”舵取り”の難しさが、各国・地域で浮き彫りになっている。

ADB バングラデシュの2019/2020年度成長率予測を4.5%に下方修正

アジア開発銀行(ADB)はこのほど発表したアジア太平洋地域各国の経済見通しで、バングラデシュの2019/2020年度(2019年7月~2020年6月)経済成長率予測を7.8%から4.5%に下方修正した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による。
調査対象のアジア太平洋地域46カ国・地域の平均経済成長率は0.1%で、下方修正したものの、バングラデシュの成長率は最高となった。また、2020/2021年度の経済成長率予測は8.0%から7.5%に下方修正され、調査対象中でモルディブに次いで2位になるとみている。

新型コロナワクチン 国内初の治験へ大阪市立大審査委が承認

新型コロナウイルスに対するワクチンの実用化を目指す大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」は6月25日、大阪市立大病院の審査委員会で治験実施計画が承認され、近く開始すると発表した。
治験の対象は30人で、被験者募集会社などを通じて参加者を募集して投与。2021年度春から秋には国の製造販売承認を取得したいとしている。ワクチンは3月から開発に着手。使うのはDNAワクチンと呼ばれるタイプ。

コロナ禍で世界損失2年間で1,300兆円 20年マイナス4.9%成長 IMF

国際通貨基金(IMF)は6月24日、先進国および新興国そろっての新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気後退により、その経済損失は2年間で12.5兆ドル(約1,300兆円)に上るとの試算を発表した。また、こうした環境下にあることで、2020年の成長率はマイナス4.9%になるとの見通しを発表。4月時点から1.9ポイントさらに下方修正した。

ベトナムの医療用マスクの輸出急増 5月は1~4月累計の1.3倍に

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ベトナムの医療用マスクの5月輸出が急増した。新型コロナウイルス感染予防のため国内需要を満たすため設けられていた輸出制限が解除されたためだ。
ベトナム税関総局の統計(速報値)によると、2020年5月の輸出量は150を超える企業により合計1億8,154万枚に上った。これは1~4月累計の1億3,950万枚の約1.3倍だ。この結果、同国の1~5月の医療用マスクの輸出量は3億2,100万枚を超えた。
ただ、今後には懸念材料も指摘されている。対EUの輸出だ。ベトナムメディアによると、同国のフェイスマスクを含む医療用品が同国の品質基準を満たしていても、EUの品質基準を満たしていないため、EUに輸出できない事態が生じているという。