三菱商事, 三菱ふそう, 三菱自 6月にEV関連サービス新会社

三菱商事は3月13日、三菱ふそうトラック・バスおよび三菱自動車と共同で、電気自動車(EV)関連サービスのプラットフォームを運営する新会社を6月に設立すると発表した。新会社「イブニオン」には三菱商事と三菱ふそうが各35%、三菱自動車が30%出資する。出資額は非公表。オンライン上で充電設備や車両の価格や性能などをワンストップで比較できるサービスを8月から提供する。消費者やディーラーの需要を開拓し、EVの普及につなげる。

SUBARUとアイシン 次世代電動車用eAxleで協業開始

SUBARU(スバル、本社:東京都渋谷区)とアイシン(本社:愛知県刈谷市)は3月12日、両社の車両並びに変速機開発に関する知見・ノウハウを持ち寄り、AUBARUが2020年代後半から生産開始するバッテリーEV(電気自動車)に搭載するeAxleを共同開発・分担生産することで合意したと発表した。高効率・軽量コンパクトをコンセプトに、両社で最適な部品調達先、生産スキームを検討していく。
eAxleは、バッテリーEVなどでモーターを主動力とするクルマが「走る」ために必要な主要部品を一つにまとめ、パッケージ化したもの。主にギア、モーター、インバーターなどの部品で構成。

京成バス 中国BYD製電気バス4両導入3/25より運行開始

京成グループの京成バス(本社:千葉県市川市)は3月12日、ビーワイディージャパン(本社:横浜市神奈川区、以下、BYD)の電気バスを江戸川営業所に2両(大型車両)、奥戸営業所に2両(小型車両)、合計4両を導入し、2024年3月25日より順次運行を開始すると発表した。
今回導入する電気バスは、従来のディーゼルバスと比較して、1両あたり年間10トン程度のCO2を削減できる見込み。

政府 洋上風力発電EEZに拡大 改正法案を閣議決定

政府は3月12日、洋上風力発電の設置場所を現行の領海内から排他的経済水域(EEZ)に拡大する再生可能エネルギー海域利用法の改正案を閣議決定した。国が指定した海域を落札した事業者は最大30年間占有できる。現在は海底に固定する着床式の洋上風力が主流だが、EEZでは風車を浮かべるため深い海域にも設置できる浮体式が主流になる見通し。
海に囲まれた日本の強みを生かして再生可能エネルギーの適地を広げ、2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指す。日本は国土の面積は世界61位にすぎないが、EEZと領海を含めると世界6位になる。

東大発スタートアップELYZA 国内最大規模の生成AI開発

東京大学発スタートアップ企業、ELYZA(イライザ、所在地:東京都文京区)は3月12日、日本語への対応に優れた、日本国内最大規模の生成AIの基盤技術」を開発したと発表した。この生成AIは基盤となる大規模言語モデルの学習量を示す「パラメータ数」が700億で、これまで各社が手掛けた国産の生成AIとしては最大規模の処理能力がある。
大規模言語モデルの開発はオープンAIやグーグルなど米国テクノロジー企業が先導してきたが、イライザの曽根岡侑也・最高経営責任者(CEO)は「先行する米国企業の生成AIと同等の日本語の処理能力がある」としている。
イライザは、チャット形式の生成AIを今後、一般に公開するほか、企業や自治体などに向け順次提供を始める予定。

スペースワンの小型ロケット打ち上げ直後に爆発、失敗

宇宙スタートアップのスペースワン(本社:東京都港区)が3月13日午前11時すぎ、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げた小型ロケット「カイロス」初号機が打ち上げ直後5秒ほどで爆発、打ち上げは失敗した。発射場近くに設けられた見学会場には、朝早くから発射を待ちわびる人たちが続々と集まって見守っていたが、打ち上げ失敗のアナウンスに悲鳴が漏れた。
日本の民間ロケットで初めて人工衛星を宇宙空間の軌道に投入する計画だった。同社は詳細については調査中とするコメントを発表、原因究明を急いでいる。カイロスの全長は18mで、H2Aロケットの3分の1程度。重さは23トン。
スペースワンにはキヤノン電子、IHI子会社のIHIエアロスペース、清水建設などが出資している。

「書店」10年間で764社が倒産・廃業 厳しさ増す経営環境

東京商工リサーチのまとめによると、2014年以降、書店は倒産・休廃業が新設法人を上回る状態が続き、10年間で764社が市場から消えた。ネット書店や電子書籍に押され、店舗数の減少も続いており、減少に歯止めがかかっていない。
倒産と休廃業・解散の合計はピークの2019年に101社に達した。コロナ禍では減少したが、2023年は67社へ微増し、その結果、過去10年間で764社が市場から退出している。

アデランス 米ステムソン社と毛髪再生でライセンス契約

毛髪・美容。健康のウェルネス事業をグローバルに展開するアデランス(本社:東京都品川区)は3月11日、iPS細胞の再生力を活用した毛髪再生の研究を手掛ける米ステムソン・世羅ピューティクス(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下、ステムソン社)と、細胞培養による毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を2月22日に締結したと発表した。同社が毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を結ぶのは今回が初めて。
これによりステムソン社は、アデランスのグループ会社、アデランス・リサーチ・インスティチュート(本社:米国ジョージア州アトランタ、以下、ARI)がフェーズ2の臨床試験として取り組んでいた「細胞治療毛髪再生プログラム」の実施を再開し、既存の脱毛細胞治療開発パイプラインに統合することが可能となる。両社が協力することで、脱毛患者や毛髪再生を望む多くの方に対する毛髪再生治療薬の開発、商品化の実現に繋げていく。

東レ 次世代電池用イオン伝導ポリマー膜を創出

東レ(本社:東京都中央区)は3月11日、イオン伝導度を従来開発品比10倍に向上した次世代電池用イオン伝導ポリマー膜を創出したと発表した。ホッピングサイト構造の改良とサイト数を増強した新規ポリマー設計により、ホッピング伝導型のポリマー膜としては最高レベル(東レ調べ)となる、10ー4S/cm台のイオン伝導度を実現した。
このポリマー膜は、全固体電池や空気電池などの金属リチウム負極電池の実用化を加速させ、電気自動車(EV)や産業用ドローン、UAM(Urban Air Mobility)などの航続距離拡大に貢献する。

空飛ぶクルマの有人飛行実証実験 パイロット搭乗せず

「空飛ぶクルマ」にパイロットが搭乗せずに人を乗せて飛行するテストフライトが3月10日、兵庫県淡路島市で行われた。このテストフライトは淡路市が、空飛ぶクルマの実用化を目指す岡山県の一般社団法人などと共同で、市内の海岸沿いの敷地で行った。
使用されたのは全長およそ6m、16枚のプロペラを備えた2人乗りの機体で、パイロットは搭乗せずに自動で飛行する。今回は検査員が乗り込み、プロペラが回り出すと垂直に20mの高さまで上昇し、時速25キロほどの速さであらかじめ決められたルートのおよそ600mを飛行した。淡路市などによるとパイロットが搭乗しない空飛ぶクルマの有人飛行実験は関西圏では初めてという。