古河電工 フィリピンの電力海底ケーブル事業を受注

古河電気工業(本社:東京都千代田区)は3月16日、フィリピンの工事会社S.L.Development Construction Corporationとともに、同国の送電事業会社National Grid Corporation of the Philippines(NGCP)より、海底ケーブルプロジェクトを受注したと発表した。
同国セブ島のマンダウエ市とマクタン島を結ぶ海底ケーブルの敷設事業で、受注額は約43億円。2023年の完工を予定。両島の電力需要拡大に応え、安定的な供給体制を整える。

三菱自 120億円投じたタイの先進新塗装工場竣工

三菱自動車(本社:東京都港区)は3月16日、タイ・チョンブリ県のレムチャバン工場で、120億円を投じて建設した新塗装工場の開所式を開催したと発表した。式典にはタイのスリヤ・ジュンルンルアンキット工業相、梨田和也駐タイ日本国特命全権大使らが参列した。タイにおける自動車塗装工場としては最大規模。
新塗装工場は、先進的で環境に優しい技術の導入によって、揮発性有機化合物(VOC)の排出量を従来に比べ50%削減できるほか、逆浸透システムを採用し廃水を50%リサイクルすることで環境負荷に配慮した塗装工場としている。また、太陽光発電パネルへの投資も実施し、年間1,700トン以上の二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるという。
安川電機製の塗装ロボット計66台を導入し、下地、中塗り、上塗り、クリアし上げなど塗装工程の90%以上の自動化を実現し、当該作業員は半減した。

3社が「メタン酸化触媒システム」のAiPを取得 世界初

日立造船、商船三井、ヤンマーパワーテクノロジーの3社は3月16日、一般財団法人 日本海事協会より、LNG燃料機関から排出されるメタンを酸化させることでメタンスリップを削減する「メタン酸化触媒システム」に関する基本設計承認(Approval in Principle、以下、AiP)を取得したと発表した。同システムのAiP取得は世界初となる。
これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」において、「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」として採択されたプロジェクトの一環。
2021年度から2026年度までの6年間で同コンセプトの設計の実機実証を行うとともに、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせるることで、LNG燃料機関のメタンスリップ削減率70%以上を実現し、LNG燃料船のさらなる環境負荷低減を目指す。

カネカ 高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速

カネカ(本社:東京都港区)は3月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」の助成金交付決定を受け、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、高変換効率と低製造コストとの両立が可能な次世代型太陽電池として、近年世界的に注目されている。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、既存技術では設置が難しい場所への太陽電池の導入に、その軽量性や柔軟性を活かすことができると期待されている。

三井化学 フルステムと幹細胞大量培養用不織布を共同開発

三井化学(本社;東京都港区)は3月16日、フルステム(所在地:沖縄県那覇市)と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を開始したと発表した。両社は、三井化学が培った高分子材料や不織布成形の知見と、フルステムが持つ幹細胞の高密度大量培養技術・装置の知見を合わせることにより、次世代の肝細胞大量培養プラットフォーム技術を共同で開発し、再生医療の発展に貢献していく。

川崎重工 大型ガスエンジンで水素30%混焼技術を開発

川崎重工は3月16日、発電出力5MW以上の大型ガスエンジンにおいて、水素を体積比30%までの割合で天然ガスと混焼して、安定した運用を実現できる燃焼技術を国内ガスエンジンメーカーとして初めて開発したと発表した。
今回開発した混焼技術によって、発電出力や水素混合比率に応じて燃焼状態を適正に制御できるシステムを構築し、このシステムを搭載した単気筒機による実証運転により、水素混焼時でも安定した運用が可能であることを確認した。

三井化学 ペットボトル原料の国内生産23年8月で終了

三井化学(本社:東京都港区)は3月15日、ペットボトルや合成繊維などの原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の国内生産を打ち切ると発表した。国内需要の減少に加え、中国を中心にPTA製造設備が急増。市況が下落し、様々な合理化に取り組んできたが、収益確保が難しいと判断した。これにより、岩国大竹工場(所在地:広島県大竹市、山口県岩国市、和木町)での生産を2023年8月に打ち切る。停止するPTAの生産能力は年間40万トン。

ゼロボード,豊田通商 供給網全体のGHG排出量算定で協業

GHG(温室効果ガス)排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard(ゼロボード)」を開発・提供するゼロボード(本社:東京都港区)と豊田通商(東京本社:東京都港区)は3月15日、取引先企業へのGHG排出量算定とその削減提案のワンストップソリューションの協業を開始すると発表した。
両社は共同で、自動車業界を中心とした製造業のGHG排出量の算定と、その結果をもとにサプライチェーン(供給網)全体へ再生可能エネルギーなどの脱炭素ソリューションの提供を行っていく。

トヨタ 水素貯蔵装置の試作モデル 鉄道・船舶向け想定

トヨタ自動車は3月15日、鉄道・船舶・港湾等の荷役機器向けなどに燃料電池と合わせて活用することを想定した水素貯蔵装置の試作モデルを開発したと発表した。燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」で採用している樹脂製高圧水素タンクと自動遮断弁などの安全装置を生かした。

関西空港で3/16から燃料電池バス運行 脱炭素へ

南海バスと、関西空港を運営する関西エアポートは3月15日、関西空港第1ターミナルビルと展望ホールなど空港内の各拠点を結ぶ路線で燃料電池バスが1台導入されることになり、同日記念のセレモニーが開かれた。16日から運行する。
燃料電池バスは、水素を燃料にして生み出した電気で走り、走行中に二酸化炭素(CO2)など環境に負荷を与える物質を排出しないことから、次世代の移動手段として注目されている。今回の導入によって、年間で30トンほどのCO2の削減が見込まれるという。