認知症者の行方不明時の捜索費用補償 三井住友・あいおい

MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険は6月8日、認知症等への備えとして70歳以上の方が加入できる傷害保険で、被保険者が行方不明となった場合の捜索費用を補償する特約を共同で開発し、7月以降の保険始期から販売を開始すると発表した。支払い上限額は50万円。
超高齢社会の到来に伴い、70歳以上の行方不明者数は過去最多を更新し続け、2019年の70歳以上の行方不明者数は約2万3,000人に上り、2014年の約1万5,000と比べると約53%増となっており、いまや高齢者の行方不明は深刻な社会問題となっている。

デンソーテンとトヨタ 冗長電源モジュールを共同開発

デンソーテン(本社:神戸市兵庫区)は6月10日、高度運転支援技術と安全性能向上に貢献する「冗長電源モジュール」をトヨタ自動車と共同開発したと発表した。このモジュールは4月に発売されたレクサス「LS」および燃料電池車(FCV)「ミライ」が搭載する高度運転支援技術「アドバンスドドライブ」向けの製品として採用されている。同モジュールはメインおよびサブ系統間の電源制御と、サブ系統電源として使用する電池を監視する電池制御を一つのECUに集約。統合制御を行うことで、電源冗長を実現している。

ホンダとコマツ 土木・建機の電動化などで共同開発を開始

ホンダ(本社:東京都港区)とコマツ(本社:東京都港区)は6月10日、ホンダの交換式バッテリーを活用したコマツのマイクロショベルの電動化、およびモバイルパワーパックを活用し、様々な建設機械・機材に相互使用を可能にする土木・建設向けバッテリー共用システムの体制構築を目指す共同開発に関する基本合意契約を締結したと発表した。
コマツのマイクロショベル「PC01」に、モバイルパワーパックと電動パワーユニット(eGX)を搭載することで電動化し、2021年度中」の市場導入を目指す。また、両社は土木・建設現場へモバイルパワーパックを供給し、バッテリー交換をはじめとするアフターサービスも含めた電動建機の利便性向上に向けて実証実験を進める。

アルツハイマー新薬低所得者にも投与できる枠組み構築 エーザイ

製薬大手のエーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は6月9日、米FDA(食品医薬品局)の承認を得たアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、オンラインで記者会見した。
エーザイとの共同開発先の米製薬会社バイオジェンは、4週に1回の点滴投与による価格を、標準的な患者1人当たり年約610万円としていることで、供給価格が注目される。この点について、内藤氏は高い投薬費用を踏まえ、非政府組織(NGO)などと連携して低所得者にも投与できる枠組みを構築する考えを示した。また、中所得者向けの枠組みについては、保険会社と協業した保険商品の創出を例に挙げた。
新薬は、アルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ」を除去する働きがあり、根本治療になる可能性が期待されている。

厚労省 FDA承認の認知症新薬 年内にも国内承認の可否判断

厚生労働省は6月8日、米食品医薬品局(FDA)が承認し、日本でも審査中のアルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」について、年内にも承認の可否を判断する可能性があると明らかにした。アデュカヌマブは、米バイオジェンとエーザイが共同開発した、脳内にたまるアルツハイマー病の原因物質と目されるタンパク質「アミロイドβ」を除去し、症状の進行を遅らせる、あるいは抑制する効果がある新薬。

理研「毛包」ができる仕組み解明 再生医療への活用に期待

神戸市の理化学研究所は6月9日、毛をつくり出す「毛包」と呼ばれる器官が形づくられる仕組みについて、マウスの細胞を詳細に解析することで解明したと発表した。同研究所生命機能科学研究センターのグループは特殊な顕微鏡を使ってマウスの毛包ができていく様子を細胞単位で撮影し、解析した。
その結果、当初は平らな皮膚の上に4種類の細胞が同心円状に並んでいるが、それぞれの種類の細胞が段階的に皮膚の奥に成長していくことで、伸縮式の望遠鏡を伸ばすように筒状の毛包ができることが分かった。さらに同心円の中の1種類の細胞が、毛が生える際に重要な働きをする「毛包幹細胞」という特殊な細胞になることも初めて確認したという。

パナソニックなどホテル・フロント支援で「アバター」活用の実証実験

パナソニックとホテル事業のコンサルティング会社、SQUEEZE(スクイーズ)は6月9日、ホテルのフロント担当の代わりにモニターに人の分身、「アバター」が現れ接客するシステムの実証実験を実施すると発表した。新型コロナで苦境にあるホテル業の運営コスト削減につなげるのが狙い。
実証実験は東京都大田区のホテルで行う。アバターはコンピューターではなく、離れた場所から人が操作、対応する仕組み。宿泊客はアバターからルームキーの代わりとなる暗証番号を伝えられるため、鍵の受け渡しは必要ない。

キューピー6月下旬出荷分からドレッシング全品に再生プラ容器

キューピー(本社:東京都渋谷区)は6月7日、6月下旬出荷分から「キューピーテイスティドレッシング」シリーズ全5品に再生プラスチックを含む容器を採用すると発表した。採用するのは主に清涼飲料水用のペットボトルを回収後に粉砕、洗浄した後、高温下で一定時間処理し、汚染物質を除去することで高品質にする方法「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」で再生したプラスチック。
同社は2030年度にプラスチック排出量削減30%以上(2018年度比)の達成を目指し、容器の軽量化に加え、紙や再生プラスチックなどへの代替を推進する。