万博 水上ショー 当面休止 水質検査で再び指針値上回る数値

万博「ウォータープラザ」での水上ショーは当面休止することになった。指針値の20倍となる「レジオネラ属菌」が検出されたことを受け、大阪市の保健所による消毒や、水の入れ替えなどの措置が取られるとともに、6月4日夜から水上ショーは中止されている。
万博協会は6日、水質検査の結果、レジオネラ属菌が再び指針値を上回る数値となった発表した。これにより、当初予定の7日からの水上ショーの再開を断念。当面休止されることになった。

万博ウォータープラザの海水から指針値以上のレジオネラ菌

万博協会は6月4日、大阪・関西万博のウォータープラザの海水から指針値以上の「レジオネラ属菌」が検出されたことが判明したと発表した。大阪市の保健所に報告したところ、噴水停止の助言を受けたことから恒例の水上ショーを急遽、中止したという。
万博協会は5日と6日について、昼の『水と空気のシンフォニー』と夜の『アオと虹のパレード』を中止するとともに、水質改善に向けた対策を取り、保健所と連携しながら水質モニタリングを行うとしている。

4月大阪の訪日客 最多の154万人 単月として過去最高更新

大阪観光局は5月28日、4月に大阪府内を訪れた訪日観光客数(推計)が前年同月比24%増の154万7,000人で、単月として過去最高を更新したと発表した。従来の最高は2025年1月の153万5,000人。新型コロナウイルス禍収束後、訪日客は増加しているうえ、開催中の大阪・関西万博も追い風となっている。
国・地域別にみると、中国が45%増の41万2,000人で最多。次いで韓国が6%増の22万1,000人、台湾が16%増の14万3,000人と続いている。欧米や豪州からの訪日客も増えている。2025年1〜4月累計は571万7,000人となった。前年同期より約3割増えており、通年では1,700万人を超えるペースで推移している。

近未来の最先端情報通信社会を体感 万博「EXPOメッセ」

大阪・関西万博の催事施設「EXPOメッセ」で5月26日、総務省主催の情報通信技術が発達した未来社会を紹介するイベント「Beyond 5G ready ショーケース」が始まった。これは現行の高速・大容量通信規格「5G」より省電力・低遅延の情報通信を活用した最先端技術を、映像や展示、体験で紹介するイベント。6月3日まで。
最先端の無線通信によるロボットの遠隔操作の疑似体験などを通じ、離れていても、人やサービスがほとんど遅延なくつながる技術を体感できる。遠隔操作の海中ロボットは、手を振るなど体の動きに連動して海中のゴミを収集する。モノに触れた感覚を伝える特殊なグラブを使い、遠隔地にいる人やAI(人工知能)のアバター(分身)と、仮想空間内でキャッチボールできる展示もある。

万博会場内3カ所に喫煙所 喫煙者に配慮”全面禁煙”返上

大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)は5月26日、会場内3カ所に喫煙所を整備すると発表した。来場者や関係者の喫煙者の利便性に配慮した対応だと説明している。6月上旬に利用を開始する予定。
万博協会は、今回掲げるテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿って、会場内では”全面禁煙”としていたが、海外パビリオンの裏手で、関係者らの喫煙あとが数カ所で確認されていた。また、喫煙所は東ゲートの会場外に設置したものの、遠すぎるとの声が挙がっていた。こうした声に応えて、全面禁煙の看板をを返上した。

幻の1940年”東京万博”の回数券使えます 万博の歴史継承

日本国際博覧会協会(万博協会)は5月5日、日中戦争の影響で急遽、中止となった1940年「東京万博」の回数券と、大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。1970年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたことで、今回も「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画され準備が進められていたが、日中戦争の激化で中止された。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、”幻の万博”とも呼ばれる。1冊12枚綴りの回数券は、戦時中の混乱で払い戻しされなかったケースも多く、1970年大阪万博や2005年愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。

大屋根リング 一部保存案 200m残す 協会調整 近く議論

大阪・関西万博のシンボル、世界最大の木造建築物・大屋根リングについて、万博協会が1周2kmのうち約200mを閉幕後も残す方向で調整していることが分かった。現地に保存する場合、新たに改修費や維持管理費が生じると見込まれ、5月2日にも大阪府、大阪市、経済界のトップらによる会合を開いて方向性を議論する。

「空飛ぶクルマ」万博会場で飛行中破損 当面運航中止

大阪・関西万博の会場で4月26日、次世代の移動手段「空飛ぶクルマ」の機体の一部がデモ飛行中に破損した。
事故は会場西端の離着陸場で同日午後3時頃、米リフト・エアクラフトの1人乗り機体「ヘクサ」(全長4.5m、高さ2.6m)のデモ飛行中に発生。地上約10mで機体上部のプロペラモーター18個のうち1個が破損し、このモーターを覆うプラスチック製カバー(縦17cm、横15cm、150g)2個が落下した。
運航する丸紅は27日のデモ飛行を中止し、このトラブルを国土交通省航空局に報告。万博協会は、丸紅に対し、早期の原因究明を求め、安全が確認できるまで運航を見合わせることを決めた。

大阪IR 施設本体の工事開始 30年秋開業予定 4/24起工式

国内初となるカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の施設本体の建設工事が4月24日、万博会場の隣接地で始まった。同日は現地で起工式があり、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市町、事業者の大阪IR株式会社でともに代表取締役を務めるエドワード・バウワーズ氏(日本MGMリゾーツ社長兼CEO)と高橋豊典氏(オリックス執行役)が鏡開きを行った。工事は騒音や景観への対策を取りながら進められ、2030年秋ごろに開業する予定。
IRは夢洲北側の大阪市有地約49.2万㎡に建設される。カジノ施設(約6.5万㎡)や3つのホテル、国際会議場を備える。初期投資額は約1兆2,700億円で、年間約5,200億円の売り上げを見込む。

24年度近畿輸出額 過去最高 アジア向け半導体伸び, 円安寄与

大阪税関がまとめた2024年度の近畿2府4県の貿易概況(速報)によると、輸出額は前年度比3.8%増の21兆8,517億円と、2年ぶりにプラスとなり過去最高を更新した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆3,595億円の黒字だった。黒字幅は7%縮小したものの、10年連続の黒字だった。
品目別では集積回路(IC)など半導体等電子部品が12.1%増えたほか、半導体等製造装置も14.3%増えた。主な国・地域別では、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが11%増で過去最高となった。
輸入額は5.3%増の19兆4,922億円で、過去2番目に多かった。医薬品が前年度比25.2%増、事務用機器が39.6%増が目立った。
過去最高を記録した輸出額だが、中国と米国向けで全体の約4割を占めており、今後、トランプ米政権の高関税政策の影響が懸念される。