離島・へき地を支える医療現場の課題解決へ、地図情報・位置情報をベースにした日本初のオンライン診療・ドローン配送システムの実証実験が行われた。
ゼンリン(本社:福岡県北九州市)、オーイーシー(本社:大分市)、KDDI(本社:東京都千代田区)、大分県の4者は、2021年10月および12月の2度にわたり、大分県佐伯市で、遠隔診療システムとドローン配送を組み合わせた実証事業を実施したと12月15日発表した。この実証では、ゼンリンが提供する地図プラットフォーム「ZENRIN Maps API」をベースにゼンリンとオーイーシーが開発した「遠隔診療システム」を用いた、離島と本島間におけるオンライン診療・服薬指導から、KDDIの「スマートドローンプラットフォーム」を活用したドローンによる医薬品配送までのオペレーションを展開し、一元管理する検証を行った。
京大と大阪ガス 中長期気象予測に関する共同研究を開始
京都大学防災研究所(以下、京大防災研)と大阪ガス(本社:大阪市中央区)は12月14日、さらなるエネルギー供給の安定に向けた取り組みとして、中長期気象予測に関する共同研究を同日開始したと発表した。エネルギー事業は、気温によりガス・電力の需要に変化が生じたり、天候により太陽光発電の発電量に影響を受けたりするなど、気象条件と密接に関係している。
今回の共同研究では、京大防災研の地球規模の気象力学や数値天気予報に関する知見と、大阪ガスの気象シミュレーションと機械学習を組み合わせた気象予測のノウハウなどを融合して、極寒や猛暑などエネルギー事業に影響を及ぼす可能性がある現象を、地球規模の大気の状態を解析することで、2週間から数か月前に予測することを目指す。2021年度は北半球の気象パターンを分析することで、大陸から日本への寒波到来の予兆を早期に把握する手法に関する研究を行う予定。
配車大手グラブ マレーシアの「ジャヤ・グローサー」買収
「業務スーパー」売り上げ,最終利益とも過去最高 巣ごもりで
「業務スーパー」を運営する神戸物産(本社:兵庫県加古川市)の今年10月までの年間決算は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要の高まりで売り上げ、最終利益とも過去最高となった。神戸物産グループの売上高は前年比6.2%増の3,620億円、最終利益は同30.2%増の195億円の増収増益だった。増収増益の要因として①巣ごもり需要が増え、自社開発の冷凍食品やデザートなどが好調だった②マスクなど衛生商品も売れ行きが伸びた-などを挙げている。
11月からの次期見通しについて、売上高は今期比5%増の3,800億円、最終利益は同1.1%増の198億円を見込んでいる。原材料価格の高騰もあり、今期より伸びは小さくなるとみている。
タカラバイオ オミクロン株に特徴的な変異検出するPCR試薬
タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は12月15日、新型コロナウイルス変異株の変異検出用リアルタイムPCR試薬シリーズに、オミクロン株に特徴的なE484A変異およびG339D変異を検出する試薬を、同日より受注開始すると発表した。
この試薬は、発売中の変異検出用試薬シリーズと同様に、RNAを精製することなくダイレクトPCRが可能で、コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と組み合わせて使用する。また、反応確認用の陽性コントロール(オミクロン株用S遺伝子配列)も発売する。
オミクロン株は、遺伝子変異が多く、感染力の増大や既存ワクチンの予防効果が低下する可能性が指摘されている。この試薬によりオミクロン株に特徴的な変異を検出することで、迅速かつ正確なオミクロン株のスクリーニングが期待される。
関西エアポート 21年4~9月期158億円の赤字 国際線の停止響く
関西国際空港、大阪空港、神戸空港の3空港を運営する関西エアポートが12月15日発表した2021年4~9月期の連結決算は、最終損益が158億円の赤字(前年同期は178億円の赤字)だった。国内線を中心に航空機の発着回数は持ち直しつつあるが、国際線は新型コロナウイルスの影響で落ち込んだままの状況にあることが響いた。
売上高にあたる営業収益は前年同期比15%増の307億円。3空港の旅客数の合計は同43%増の502万人。ただ、コロナ禍前の2019年同期と比べると80%減の水準にとどまっている。
関西エアポートは、黒字化には国際線の回復が不可欠としている。世界の航空需要は2024年度には2019年度レベルに戻ると見込み、国内線がコロナ前まで回復した前提で国際線が50%まで戻れば黒字化の光が見えてくるとの見立てだ。
横浜ゴム マレーシア・セランゴール州に合弁でタイヤ販売会社
インド11月乗用車販売 過去7年で最低水準に 半導体不足響く
インド自動車工業会がまとめた11月の自動車統計(出荷ベース)の国内販売台数は、乗用車(多目的車とバンを含む)が前年同月比18.6%減の21万5,626台だった。世界的な半導体不足により、自動車販売が活発化する祝祭シーズンの11月でも巻き返しを図れず、11月単月としては過去7年で最低の販売台数となった。なお、4~11月期の販売台数は前年同期比25.7%増の182万9,693台だった。
11月の販売状況をみると、乗用車のうち一般乗用車が前年同月比32.7%減と最も落ち込みが大きい。11月単月のメーカー別販売をみると、首位のマルチ・スズキは19.2%減の10万9,726台で、シェアは50.9%だった。韓国の現代自動車は24.2%減の3万7,001台、起亜自動車は32.4%減の1万4,214台、インドのマヒンドラ&マヒンドラは6.8%増の1万9,458台だった。
JR西日本/東海 年末年始新幹線予約 前年比約2倍,コロナ沈静で
JR西日本とJR東海は12月14日、年末年始の12月28日から1月5日までの9日間について新幹線などの予約状況を発表した。東海道・山陽新幹線の指定席の予約状況は13日時点で、前年と比べおよそ2倍に増え、座席の予約率は31%になっているという。予約のピークはいずれも下りが12月29日、上りが1月3日だが、現時点で座席にはまだ余裕があるとしている。また、山陽新幹線については、年末年始の需要の回復が見込めるとして、運転本数はコロナ禍前の2019年の95%まで戻るとみている。
指定席の予約状況が増えていることについて両社は、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で激減、沈静化しつつあるため、久しぶりに帰省や旅行などで利用する人が増えていることが要因としている。