川崎重工 独自開発の水素液化機を発売 国内メーカー製初

川崎重工は6月10日、水素を効率よく貯蔵および輸送するための手段の一つとして、マイナス253度で液化することで体積が800分の1になる水素の性質に着目して開発した、国内製初の水素液化機の販売を開始すると発表した。同機は今春まで実施した3000時間以上の兆時間にわたる連続実証運転や各種機能試験で性能と信頼性を実証している。
1日あたり5トンの液化水素(燃料電池車=FCV1,000台相当の燃料)の製造が可能で、独自に開発した液化工程により業界トップクラスの液化効率を達成。99.999%の高純度な液化水素の製造および容易なメンテナンス性を実現したとしている。
水素は温室効果ガスが発生しないクリーンなエネルギーとして、2030年ごろには年間約30万トンの利用が見込まれている。

AIによる高度診断・治療システムの社会実装へプロジェクト開始

日本医師会、日本ユニシス、日立製作所、日本アイ・ビー・エムは6月10日、「内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」第2期で採択された「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」の構築および、2022年の社会実装に向けたプロジェクトを開始すると発表した。同プロジェクトにはソフトバンク、三井物産も参画する。

キヤノンメディカルS 唾液で新型コロナのLAMP法検査の精度を確認

キヤノンメディカルシステムズ(本社:栃木県大田原市)は6月9日、北海道大学病院の協力を得て、LAMP法を用いた「新型コロナウイルスRNA検出試薬Genelyzer KIT」を用い、唾液での精度を調べたところ、10分程度で検出できることが確認され、従来の鼻咽頭拭い液と遜色ない結果を得ることができたと発表した。
同社は目に見えにくい感染症がもたらす恐怖、不安を少しでも緩和、払拭するための迅速・簡便、正確な遺伝子検査システムの研究開発、モノづくり、普及を進め、社会の安心・安全に尽力していく。

セブンイレブン 三井住友海上あいおいと提携し生命保険販売

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは6月8日、三井住友海上あいおい生命保険と提携し、全国約2万店で生命保険、がん保険の販売を始めると発表した。コンビニでのがん保険の販売は初めて。
生保業界では営業職員の対面販売が原則だが、新型コロナウイルスの影響で顧客と会うのが難しい状況にある。コンビニでの保険の販売ができれば、保険加入の新しいあり方を示すことになる。

ファミレスのジョイフル 不採算200店舗を閉鎖へ コロナ禍で

西日本を中心にファミリーレストランを展開するジョイフル(本社:大分市)は6月8日、全国の不採算店舗約200店を7月以降、順次閉店すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響。同社はフランチャイズを含むチェーン店舗数は約770店。今回閉店することを決めた200店は全国にある直営店全体の約3割に相当する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売上高は4、5月の2カ月連続で前年同月比5割以上落ち込んでいた。

コンビニ大手3社 7月からレジ袋有料化 マイバッグ持参促す

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニエンスストア大手3社は6月5日、7月1日からレジ袋を有料化すると発表した。7月からのレジ袋有料化の義務付けを受けた対応で、消費者にマイバッグの持参を促し、環境負荷の軽減を目指す。レジ袋は小、中、大と弁当の4種類を1枚3円、特大サイズのみ5円で、有料提供する。

神鋼 中国・無錫市の非汎用圧縮機の生産拠点WCC社を子会社化

神戸製鋼所(神戸本社:神戸市中央区)はこのほど、中国で石油精製・化学プラント、天然ガスプラント等の心臓部に用いられる非汎用圧縮機の製造・設計・販売を手掛ける無錫圧縮機股份有限公司(所在地:江蘇省無錫市、以下、WCC社)を2020年4月に株式の追加取得により、持分比率70%とし子会社化したと発表した。
今回、無錫威克集団有限公司(以下、VICTOR社)から25.7%の株式を追加取得することに合意、これまでの44.3%と合わせ70%出資とした。

島津製作所 仏モンペリエ大とアルツハイマー病変検出法で共同研究

島津製作所(本社:京都市中京区)は6月5日、フランスのモンペリエ大学付属病院とアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)の検出法に関する共同研究契約を締結したと発表した。
血中のアミロイドβ(ベータ)を検出する同社の方式は人体への負担が小さく、大規模な調査研究に適している。この血液由来のバイオマーカーは2014年に同社と国立長寿医療センターらが発見した。今回の共同研究には、2002年にノーベル化学賞を受賞した同社エグゼクティブリサーチフェローの田中耕一氏が加わっており、同賞の受賞理由となった「MALDI」(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)技術が、アルツハイマー病変検出法の実現につながっている。

みらかHD 東芝・日立の参画で抗原検査キットの新設拠点の早期稼働へ

みらかホールディングスの連結子会社、富士レビオ(本社:東京都新宿区)は6月5日、北海道旭川市に新型コロナウイルスの抗原検査の迅速診断キット「エスプライン(R)」シリーズの新たな生産拠点、旭川工場を新設すると発表した。同工場の新設にあたり東芝・グループおよび日立製作所・グループ各社の参画により、早期稼働を目指す。
旭川工場は12月までの稼働開始を予定しており、既存の宇部工場と合わせ週40万テスト以上の生産体制を構築する。