IOC会長選候補会見 渡辺氏 IOCを「世界スポーツ機関」に

国際オリンピック委員会(IOC)は1月30日、スイスのIOC本部で3月に行われる会長選挙に向けて、7人の候補者が非公開で投票権を持つIOC委員にプレゼンテーションを行った後、候補者が1人ずつ10分程度、記者会見した。
日本人として初めて立候補した渡辺守成氏は、IOCを、「政治からの独立を保ったまま、世界スポーツ機関に改め、活動の幅を広げる」考えを打ち出した。渡辺氏は2024年12月に発表した公約で、世界の5大陸の5つの都市で同じ時期に夏のオリンピックを共催する構想を掲げており、今回「それぞれのスポーツにとって最良の条件を提供し、開催国の財政負担を減らし、大会の放送や商業的機会のより大きな可能性を提供する」と述べた。

24年訪日タイ人数115万人, 日本からタイへの入国者105万人

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2024年通年のタイからの訪日客数は前年比15%増の114万8,900人だった。一方、日本からタイへの入国者数は同30%増の105万904人で、タイ人の訪日客数が上回った。タイからの訪日客数は韓国、中国、台湾、香港に続き5位。

訪日外客数24年通年3,600万人を突破し過去最多 12月も更新

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2024年の年間訪日外客数は前年比47.1%増の3,686万9,900人で、過去最高だった2019年の3,188万2,049人を約500万人上回り、過去最高を更新した。主要23市場のうち、20市場が年間累計で過去最高を記録した。
また、2024年12月の訪日外客数は348万9,800人で、1964年の統計開始以来、初めて単月として340万人を突破した。

日本・インドの海上保安機関が合同訓練, 米・豪も視察

日本とインドの海上保安機関が1月9日、横浜市の横浜海上防災基地で油などの流出を想定した合同訓練を行った。日本の海上保安庁とインドの沿岸警備隊の合同訓練は今回が20回目。訓練には米国とオーストラリア海上保安機関も視察に訪れた。「クアッド」で連携する4カ国が、東シナ海や南シナ海で海洋進出の動きを強める中国を念頭に連携の強化を図る狙いがある。

日中経済対話 25年早期に開催へ EEZ内ブイに抗議 外相会談

岩屋外相は12月25日、中国・北京市の釣魚台国賓館で王毅外相と会談した。両氏は、首脳・外相を含むハイレベルの往来を進めていくことを確認し、2025年早期に王毅氏が来日して「日中ハイレベル経済対話」を開催することで一致した。日本の外相の訪中は1年8カ月ぶり。
岩屋氏は会談後、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内、沖縄県の与那国島南方で新たに設置したとみられるブイが確認され、「わが国として受け入れられず、日中関係にマイナスの影響しかない」と抗議し、王氏に即時撤去を要求したことを明らかにした。
また、両氏は観光客の往来などを議論する「日中ハイレベル人的・文化交流対話」も開催し、日本側は中国人が日本に短期滞在する際に必要なビザ(査証)の緩和措置を発表した。10年間有効の「観光数次ビザ」を新設し、団体観光での滞在可能日数を15日から30日に拡大するーーなどの内容。

日本 パキスタンの被災医療施設整備に15億円を無償支援

日本政府は、パキスタンのハイバル・バフトゥンハー州の洪水被災地域および周辺地域における母子保健機材整備に、供与限度額15.03億円を無償資金協力する。
パキスタンは2022年の大洪水により国土の1/3が水没等の影響を受け、全国の医療施設の約13%が被災。同州でも157カ所の医療施設が被災し、基本的な母子保健サービスに必要な機材が損壊、医療体制に支障をきたしている。これを受け、今回の無償支援で同州の21カ所の医療施設などの設備機材の整備に充てられる。

日本 カンボジアに警備艇供与 10億円の無償資金協力決定

日本政府はカンボジア政府との間で、警備艇を供与するための10億100万円を限度とする無償資金協力する。これにより同国の海洋法執行能力の向上「が図られ、同国の経済・社会の発展に寄与することが期待される。カンボジアはタイ湾に沿って約443kmの海岸線を有し、海洋の脅威に直面する中で、現在老朽化した船舶を含む限られた機材で海上捜索・救助活動を行っている。

被団協 ノーベル平和賞受賞「核兵器 共存させてはいけない」

今年のノーベル平和賞授賞式が12月10日、ノルウェーの首都オスロのオスロ市庁舎で行われた。日本の被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」が受賞した。長崎で被爆した被団協代表委員の田中煕巳(てるみ)さん(92)が記念講演した。
田中さんは「核兵器は極めて非人道的な殺戮兵器であり、人類とは共存させてはならない」、また「核兵器は一発たりとも持ってはいけない」と強調。「人類が核兵器で自滅することのないように」核廃絶に向けた取り組みを国際社会に訴えかけた。
日本からの平和賞受賞は、非核三原則を提唱した1974年の佐藤栄作元首相以来で、2例目となる。

クロマグロ大型魚 25年以降の漁獲枠1.5倍に拡大

太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際会議「中西部太平洋まぐろ類委員会」(WCPFC)は12月3日までフィジーで年次会合を開き、2025年以降の漁獲枠を拡大することを正式に決めた。30キロ以上の大型魚は従来の1.5倍、30キロ未満の小型魚は10%増となる。これにより、日本の漁獲枠は大型魚が現在の5,614トンから8,421トンに、小型魚が4,007トンから4,407トンに増える。
WCPFCが漁獲枠拡大を決めたのは、近年の資源量が回復傾向にあることを受けた措置。

プラスチックごみ 国際条約 隔たり埋まらず合意見送り

地球規模のプラスチックによる環境汚染の防止に向け、初めてとなる国際条約の案をまとめるため、11月25日から韓国・釜山(プサン)で開かれていた政府観光省委員会は12月1日、今回の交渉での合意を見送った。今後改めて会合が開かれ、今回の交渉内容をもとに条文案をまとめるための協議が再開されることになる。
同委員会は、世界的な削減内容を設け、各国が目標達成のためにとった対応やデータを報告するという案と、プラスチックの原料となる石油産出国などが規制に強く反対していることを踏まえ、条約に盛り込まないという案の、対照的な2つの選択肢が示されたまま、意見の隔たりが埋められなかった。
世界のプラスチックごみの量は、2019年までの20年間で2倍以上に増え、各国はプラスチックによる環境汚染を防ぐため法的拘束力のある国際条約をを今年中に取りまとめることを国連で決議している。