JR東日本・ENEOS 鉄道の脱炭素化へ水素燃料で連携

JR東日本とENEOSは5月25日、鉄道の脱炭素化に向け、水素を燃料とする電車の実用化および、水素の供給施設「水素ステーション」の共同開発を進めることで連携協定を締結したと発表した。両社は2030年までの社会実装を目指し、国内初となる水素ハイブリッド電車および同車両向け定置式水素ステーションの開発を連携して進めていく。同ステーションは、水素ハイブリッド電車をはじめ、多様なFCモビリティ(燃料電池車・FCバス・FCトラック等)や駅周辺施設へCO2フリー水素を供給する、総合水素ステーションとする。

これらの取り組みを実現させたいとしている。

三井化学 軟包材マテリアルリサイクル設備稼働

三井化学(本社:東京都港区)は5月26日、名古屋工場内に設置した、印刷されたフィルムからインキを除去し、再び軟包材フィルムに再生する軟包材マテリアルリサイクル設備の稼働を開始したと発表した。
同社は、循環型経済の実現に向けて廃プラ等の廃棄物を資源と捉え、再利用する取り組み「RePLAYER(R)」の一環として、軟包材のマテリアルリサイクルの実証試験「RePLAYER(R)-Renewable Plastics Layer System-」を進めている。
これは、コンバーターでの印刷前後の廃棄フィルムを回収し、インキを除去してペレット化し、もう一度軟包装フィルムに再生する仕組み。今回の設備稼働により、軟包装フィルムに適した再生材料の技術開発を加速し、今年度は廃棄フィルムの回収を一層拡大し、再生材料のサンプル供試を本格化する計画。

大林組とパナソニック 建設作業員の顔認証統合IDで実証

大林組(本社:東京都港区)と、パナソニックコネクト(本社:東京都中央区)は5月13日、共同で建設作業員への多様なサービス提供に向けた顔認証を活用した統合IDプラットフォームの構築に着手し、通勤時のシャトルバスへの乗降確認や入退場時のセキュリティチェックなどを想定した顔認証の実証実験を実施したと発表した。
今回の実証実験は2025年の大阪・関西万博に向けて、本格化する夢洲における建設工事を想定したもので、顔認証の確実性とスムーズさを実験した結果、サービスの提供による利便性や快適性が向上できることを確認した。
このプラットフォームに顔画像情報と本人情報をID連携することで、顔認証であらゆるサービスが利用できるようになる。

日揮と東洋エンジ 燃料用アンモニア工場を共同で建設

日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)と東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)は4月27日、燃料用アンモニアの製造工場を共同で建設すると発表した。お互いの技術やノウハウを持ち寄り、事業の競争力に磨きをかける。まずはアンモニアの主要市場となる日本企業からの着実な受注を目指す。
プラント大手は案件ごとの協力は多いが、特定分野で全面的に協力するのは珍しい。
日本国内のアンモニア需要は発電向けなどに拡大することから、2030年に年間300万トン、2050年に3,000万トンへ増えるとの予測がある。

インドネシアのバイオメタン活用で4社が覚書

日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)、大阪ガス(本社:大阪市中央区)、INPEX(本社:東京都港区)の3社と、インドネシア国営石油会社プルタミナ(本社:ジャカルタ)は4月25日、インドネシアにおけるパームオイルの搾油工程で生じる廃液(Palm Oil Mill Effluent、以下、POME)由来のバイオメタン活用に向けた共同調査に関する契約を締結したと発表した。
この事業はメタンガスを回収しバイオメタンとして利用することで、温室効果を持つメタンガスの大気放散を抑制し、カーボンニュートラル社会の実現を目指すもの。インドネシア・スマトラ島およびカリマンタン島で製造したPOME由来のバイオメタンをジャワ島などのインドネシア国内需要家に供給することを想定し、その実現可能性を調査する。化石燃料からバイオメタンへの燃料転換による需要家のスコープ1のCO2排出量を削減することを目標としている。

 

三菱パワー 欧州でボイラー燃料を石炭から天然ガスへ転換

三菱重工グループの欧州現地法人、三菱パワーヨーロッパは4月18日、欧州の製糖大手、ドイツのジュートツッカー社のオクセンフルト工場のボイラー燃料を石炭から天然ガスへ転換する工事の契約を締結したと発表した。
先進的な燃料転換ソリューションでクリーン・エネルギーを実現へ、天然ガスでCO2排出量を削減、ネットゼロ目標実現に向けたか時として採用。将来は100%水素への転換が可能な技術につなげる。
オクセンフルト工場では2022~2023年の製糖プロセス期間で石炭による熱電併給を終了、以後天然ガスに転換する。

パナソニック 純水素型燃料電池活用の実証施設を稼働

パナソニック(本社:東京都港区)は4月15日、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電により、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなう「RE100ソリューション」実証施設「H2 KIBOU FIELD」を2022年4月15日より稼働すると発表した。本格的に水素を活用する工場のRE100化は、世界初の試みとなる。
今回、滋賀県草津市の拠点に、5KW純水素型燃料電池99台(495KW)と太陽電池(約570KW)を組み合わせた自家発電設備、そして余剰電力を蓄えるリチウムイオン蓄電池(約1.1MWh)を備えた大規模な実証施設を設置した。ここで発電した電力で草津拠点内にある燃料電池工場の製造部門の全使用電力を賄うとともに、3電池連携による最適な電力需給運用に関する技術開発および検証を行う。

積水化学”ごみ” をエタノールに変換 実証プラント

積水化学、INCJ、積水バイオリファイナリーは4月11日、積水化学と米国ベンチャー、Lanza Tech NZ,Inc.(以下、ランザテック社)が共同開発した、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術の実証事業の実施、技術検証および事業展開を行うことを目的として、岩手県久慈市で建設を進めていた10分の1スケールの実証プラントがこのほど竣工したと発表した。
実証プラントでは、BRエタノール技術の実用化・事業化に向けた最終段階の検証を行うため、スケールアップ時の技術検証、システム最適化、安定稼働の確認、事業性の確認などを行う計画。
同プラントの敷地面積は約2万5,000㎡、処理能力:一般廃棄物(可燃性ごみ)約20トン/日、製造量:エタノール1~2kL/日。

川崎重工 エアバスと水素航空機で連携 インフラ整備へ

川崎重工業(本社:東京都港区)と航空機大手、欧州のエアバス(本社:フランス・トゥルーズ)の日本法人は4月12日、水素を燃料とする航空機の商用化に向けて、水素の供給インフラの整備などで連携すると発表した。覚書を締結し、水素の生産から空港への輸送、航空機への補給まで、様々な段階における水素サプライチェーンのの構築を調査する。将来は水素航空機の開発を共同で進める可能性も示した。
空港の水素の供給網を整備し、航空機やトラックなど様々な交通インフラにも広げるためのノウハウを1年間に積み上げる。
川崎重工は2016年から取り組んできた水素の商用化に向けた技術実証をこのほど終え、水素の調達のめどを立てた。エアバスは2035年までに水素航空機の商用化を目指している。

産学共同リノベーションでCO2排出量68%削減

リノべる(本社:東京都港区)と金沢工業大学、国士舘大学の両研究室は4月11日、NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発、東日本電信電話神奈川事業部とともにリノべるがリノベ―ションを手掛けた神奈川県川崎市の複合施設「BOIL」を対象に、リノベーションによるCO2排出量削減効果と廃棄物削減効果を評価した結果、既存建物を同規模の新築に建て替えた場合と比較し、68%のCO2排出量の削減と94%の廃棄物排出量を削減できることを確認したと発表した。
BOILの既存建物解体・設計監理・資材製造・建設段階におけるCO2排出量削減量は約947トンとなり、これは杉の木約10万本が1年間に吸収する量と同程度で、杉林約108ha分、明治神宮約1.5個分に相当する。
今回の研究は、2021年11月30日発表の集合住宅の環境負荷軽減効果測定に続く第2弾。これにより、企業のCREにおける事務所・ビル等のリノベーションも脱炭素社会におけるソリューション提案の一つとなり得ることが確認された。
リノべるは、国内No.1の中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノべる。」を提供し、テクノロジーを活用したリノベーションプラットフォームを手掛けている。