タイ コメ輸出で1000万㌧規模へ 世界一に返り咲くか

タイ コメ輸出で1000万㌧規模へ 世界一に返り咲くか

米国に本社を置く調査会社IHSの予測によると、今年のタイのコメ輸出量が2004年に記録した過去最高の1014万㌧に迫る1000万㌧となり、天候不順のインド(840万㌧)やベトナム(660万㌧)を抑えて世界一になるとみている。バンコク・ポストなどが報じた。タイのコメ輸出業者協会によると、同国の今年1~8月の輸出量は前年同期比59%増の660万㌧。

タイはコメ輸出で11年に世界首位だったものの、当時の院ラック政権が農家の生活支援を目的にコメ買い取り制度を開始。政府が農家からコメを市場価格の最大5割増しとなる高値で買い取る制度により、価格が急騰したタイ産米の輸出が急減し、12年、13年とインドに世界一の座を奪われた。

ところが、今年5月に政変で全権を握った軍主導の国家平和秩序評議会は同制度を廃止。この間の買い取りによって積み上がったコメの在庫の輸出を急ぐ方針を固め、8月に発足したプラユット暫定内閣は3年以内にすべての在庫を輸出するとし、中国やインドネシアなどの政府間の取り決めによる輸出を増加させている。また、アフリカ諸国の需要拡大もあり、IHSはタイのコメ輸出が向こう数年間は1200万㌧を超える水準で推移し、インドと首位を争うと予測している。SankeiBizが報じた。