インドネシア独自の刑法策定目指す 改正案の審議開始
インドネシアにとって懸案だった刑法改正案の審議が国会で始まった。現行刑法はオランダ植民地時代の遺物と批判されてきたもの。世界最大のムスリム人口を擁しながらもイスラム法を基盤にするのではなく、多様な民族や地域の慣習が根付くインドネシア独自の刑法の策定を目指す。
法務人権省の刑法改正案策定チームが昨年末に国会へ上程した改正案は、現行の569条から766条へと大幅に増えた。政府案では大統領中傷や共産主義禁止、宗教冒とくなど表現や信教の自由に関する規定をはじめ、同棲や姦通、黒魔術を規制する条項なども盛り込まれ多岐にわたる刑事犯罪の議論が展開されている。
改正案を審議する国会第3委員会は今月14日から6日間、65億ルピアをかけ、英国、フランス、オランダ、ロシアを訪れ、刑事犯罪の規制状況について、欧州で発展してきた大陸法を直接学ぶという。改正案の審議には数年かかるとみられる。