小笠原海域のサンゴ密漁領海内逮捕 海保庁が戦術転換
小笠原諸島(東京都)周辺海域での中国漁船によるサンゴ漁船問題で、海上保安庁は戦術を転換し、領海内でも漁船船長を逮捕する方針に変更した。現在も40隻を超す漁船が周辺海域に残っているため、態勢も強化し一掃をめざす。すでに複数の巡視船を追加投入。11月21日未明には領海内で違法操業中の中国人船長を外国人漁業規制法違反(領海内操業)容疑で現行犯逮捕した。
これは、海上保安庁がこれまで領海から追い出し、排他的経済水域(EEZ)内で逮捕する戦術を取っていたが、こうした戦術を把握した漁船側が夜間に領海内への侵入を繰り返し、密漁を続けていたことが判明したためだ。海上保安庁の調査では、小笠原周辺の中国漁船は最大時の約5分の1に減っているが、20日時点でも計47隻が確認されている。