バンダアチェで数千人が参加し追悼式典 震災から10年

バンダアチェで数千人が参加し追悼式典  震災から10年

スマトラ島沖地震・インド洋から大津波から10年を迎えた12月26日、被災地は終日、鎮魂の祈りに包まれた。同震災で最も被害が大きかったインドネシア・アチェ州の州都バンダアチェで行われた追悼式典には、被災者や遺族ら数千人が参加した。津波発生時の映像が流れると、会場にはすすり泣く声が響いた。

人口の3割を失ったバンダアチェでは今年、日本の防災訓練を参考に、災害時の避難場所を家族間で事前に決めておくことを住民に広める活動が始まっている。また、津波で沿岸部から内陸に押し上げられた漁船や壊れた住宅を「津波遺産」として保存し、津波の記憶を残しながら、観光にも生かす取り組みをスタートさせている。ただ、震災後に同市に転居してきた人たちも多いことで、防災意識を住民の間に定着させることの難しさを指摘する声も少なくない。このほか、26日はインド、スリランカ、タイ・プーケットなどで追悼式典が執り行われた。