タイ、マレーシア人入国拒否10倍超 不法就労狙い
訪日外国人観光客の急増に沸いた今年の観光市場。だが、そんな明るい話題に紛れ、ほとんど話題にされることはなかったが、ビザ(査証)免除対象国から不法就労者が急増していることが分かった。これは、観光立国を目指す日本政府が訪日旅行への誘客策として講じたビザ発給要件の緩和に、付け込まれた形となった。
入国を拒否される人の数が急増しているのが、2013年7月からビザなしで日本に入国できるようになったタイとマレーシアからの訪日客。法務省入国管理局によると、今年上半期に日本の空港などで入国拒否となった外国人は、前年同期比35%増の1586人(速報値)。このうちタイはタイは386人で前年同期の33人から約12倍、マレーシアは54人で同3人から18倍に増えている。
12月からインドネシアのビザを免除、日本政府は今後フィリピン、ベトナムも対象とする方向で検討中だ。訪日旅行客の増加を歓迎する一方で、こうした不法就労が増える”副作用”とどう向き合うのか。入国時のチェックと入国後の摘発をしっかり実施することが求められている。