シャープと鴻海精密工業 歩み寄りの兆し見えず
シャープと台湾の電子機器の受託製造大手、鴻海精密工業との出資契約交渉は、両社の姿勢に全く変化がみられないことから、再開の見通しは立っていない。交渉が進まない最大の要因は、シャープが主張する2012年3月末当時の「1株当たり550円」という条件。鴻海はその価格は高すぎる。その後、下落した株価で買いたいと主張している。また、12年当時と同様、鴻海がシャープに中小型液晶での技術供与を強く要求する姿勢に変わりはないとみられる。シャープが15年3月期で2年ぶりの最終赤字に陥る見通しとなったことを受けて、鴻海は3月20日、改めて出資を打診する方針を表明しているが、両社の溝は深いままだ。