フィリピン 中国の埋め立てによるサンゴ被害で非難
マニラ共同によると、フィリピン外務省は4月13日の声明で、南シナ海で中国が進める岩礁の埋め立てにより「破壊されたサンゴ礁の面積は300㌈(約121㌶)」と明らかにした。これは東京ドーム約26個分に相当する。実際に埋め立てられた面積は明らかではないが、急速に進む工事の影響が広範囲に及んでいることが改めて浮き彫りになった。
声明は、埋め立てが「生物多様性や生態系の均衡を広範囲にわたり、復元できない程度にまで損傷させている」と指摘し、中国に対し作業中止を要求。環境破壊が周辺国に及ぼす経済的損失は、年間1億ドル(約120億円)に上ると推計した。
中国の華春●副報道局長は9日の記者会見で、埋め立て工事が完了した土地について「軍事防衛面で不可欠な要請に加え、様々な民間の需要に包括的に貢献することができる」と言及し、軍事拠点として利用することを否定しなかった。この発言に対し、フィリピン外務省の声明は「この地域の軍事化を推し進め、平和と安定を脅かすだけだ」と強く非難した。