上下水道未整備の途上国向け小型浄水装置がヒット
上下水道網が未整備な地域の多い途上国の地方集落向けに開発した、ヤマハ発動機の小型浄水装置が普及しつつある。2010年4月のインドネシアを皮切りに、今ではベトナムやセネガルなど6カ国10カ所で使われている。
装置には「緩速ろ過」と呼ばれる自然界の仕組みを応用した浄化方法を採用している。集落のそばを流れる川や湖沼の周辺に、広さ40平方㍍のコンクリート製地盤を敷き、泥やゴミを取り除く前処理槽や、微生物の働きで金属成分を除去するバイオ槽、そして砂やバクテリアを使って有害な金属や細菌を取り除く緩速ろ過槽など合計7つのタンクと殺菌装置を設置する。
電動ポンプでくみ上げた水を装置にゆっくりと通せば、飲み水や生活に必要な水ができ上がる。浄化能力は1日当たり約8000㍑と2000人分の生活用水に相当する。コストはポンプを動かすための電気代や塩素剤程度で済む。インドネシアの場合、地元住民で構成される管理団体が約4㍑入りポリタンク1つ当たり20円前後で販売している。
世界保健機関(WHO)によると、世界の約7億5000万人が安全な水にアクセスできない現状だけに、浄水装置への需要はとてつもなく大きい。毎日新聞が報じた。