スハルト退陣から15年 新興国の雄 民主化は「踊り場」に
1998年5月21日、32年間にわたるスハルト政権は終焉。インドネシアは「レフォルマシ(改革)」を旗印に、民主化への第一歩を踏み出し、市民が自由を謳歌するようになった。この15年間、インドネシアは相次ぐ爆弾テロや地震・津波の大災害など幾多の苦難を乗り越え、ハビビ、グス・ドゥル、メガワティ、ユドヨノと4つの政権を経て、世界最大のムスリム人口を擁する新興国の雄として世界に名を響かせるまでになった。
ただ、独裁体制から民主化へ一気に舵を切った反動も決して少なくない。国民の権利意識の肥大化、貧富格差の拡大など課題も山積している。宗教が絡んだ少数派への迫害や地方の住民紛争も頻発、民主化の歩みを脅かしかねない不穏な動きも見え始めている。グローバル化の波や新興国の台頭などを背景に、世界の枠組みが大きく変わろうとする中、
インドネシアの民主化はいま「踊り場」を迎えている。