アジア投資銀 中国が拒否権 資本金倍増の12兆円

アジア投資銀 中国が拒否権 資本金倍増の12兆円

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー57カ国は5月22日、シンガポールで行われた第5回首席交渉官会合で、組織の枠組みを定めた設立協定に基本合意した。設立時の資本金は当初予定の2倍の1000億㌦(約12兆円)として信用力を高め、日米中心のアジア開発銀行(ADB)に対抗する。国内総生産(GDP)の規模に比例して出資するため、中国の比率は57カ国中最大の30%弱に達する見通し。
また、出席者らによると、中国は重要議案について実質的な拒否権を持つ仕組みとなる。総裁も中国が出すことが確実で、中国が強い権限を握る見込み。各国の代表である理事は北京の本部に常駐しないため、融資案件を十分に検討できない可能性がある。参加を見合わせている日本や米国から、運営の透明性に疑問を投げかける声が高まりそうだ。理事会は12人で構成する。
6月下旬に北京で設立協定の署名式を開き、各国の国内手続きを経て年内にAIIBを設立する。シンガポール共同が報じた。