アジア投資銀行 国際金融機関から人材引き抜き
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の発足に向け、中国が先進国からの出向受け入れや、既存の国際金融機関からの人材引き抜きも含めた採用活動を始めたことが5月22日、分かった。中国は金融分野のノウハウが乏しいため、専門的な人材を国外から集めてAIIBの運営体制を固めるのが狙いだ。
採用活動は北京にある設立準備事務局が担っている。外交筋によると。中国はAIIBの創設メンバーとなっている英国や韓国に財務当局者などの出向を要請、すでに面接も実施しているという。アジア開発銀行(ADB)から人材を引き抜く動きもある。この際、ADBと同額の待遇を保証すると持ち掛けているという。
国際金融機関は、投資対象となる事業の収益性を正確に評価して確実に資金を回収することや、先進的な金融技術を求められる。また投資対象国の法律を守ることなども重要だ。こうした点で中国は海外での本格的な投資の経験が乏しく、大手国有銀行などでも「レベルの高い人材は限られる」とみられている。