中国が南シナ海で石油掘削作業 既成事実化狙い

中国が南シナ海で石油掘削作業   既成事実化狙い

中国とベトナムが領有権を争う南シナ海北西部の海域で、中国が石油掘削作業を始めることが6月26日、分かった。2014年のベトナムとの衝突時と同様、中国海洋石油(CNOOC)の掘削装置(オイルリグ)「海洋石油981」が使われる。
中国海事局は、6月25日から8月20日までオイルリグから半径2㌔内への立ち入りを禁止する航行警報を出している。両国間の対立が再燃する恐れが出てきた。作業現場は中国の海南島の南約140㌔の海域で、中国が14年、石油掘削作業を行った場所より90㌔ほど北のエリアだが、中国とベトナム双方の排他的経済水域(EEZ)に重なる位置にある。
このため、ベトナム国営紙トイチェ(電子版)は26日、ベトナム海軍が動きを厳しく監視していると報じている。中国が今回また掘削を強行するのは「掘削を定期化することで、既成事実を積み上げる狙いがあるのではないか」とみられる。