欧米・イ伝統品で活気づくインドネシアファッション業界
インドネシアでいま、欧米の流行商品に加え、「バティック」(ろうけつ染)などのインドネシア固有の伝統的なファッションでも市場が拡大しつつある。両ファッションともに近年、市場は飛躍的に拡大しており、日本の「ユニクロ」、スペインの「ZARA(ザラ)、スウェーデンの「H&M」などが相次いでインドネシア展開に乗り出したり、展開を計画している。
経済成長で生まれている多くの中間層。所得が増えるのに伴い、ファッションへの関心が高まり、おしゃれを楽しむ人々が増えているのだ。大型ショッピングモールが閉店時間を延ばして深夜まで服飾品を販売する「ミッドナイトセール」は、大勢の客でにぎわう。この中間層の増加はますますファッション業界の活況につながるとみられる。
活気づいているのは欧米の流行商品だけではない。インドネシア固有の伝統的なファッションも健在だ。ジャワ更紗(さらさ)とも呼ばれる「バティック」を使ったシャツは官公庁や民間企業でオフィスファッションとしても定着。政府は金曜日を「バティック・デー」とし、バティック地の服の着用を奨励している。また、5月30~6月2日、「インドネシア・イスラミック・ファッションフェア」が開催されるなど、イスラム教徒の女性が肌や頭髪を隠すアバヤなどを専門にしたファッションショーも開かれている。
インドネシアにおけるアパレル商品の2010年の売り上げ規模は前年比29%増の210億ドル(約2兆1100億円)。05年から2倍以上に拡大し、15年には350億ドルを超すと予想されている。