現地採用で活気に満ちたスラバヤの開発会社 スクエニHD
スクウェア・エニックス・ホールディングスは4月15日に、インドネシアの東ジャワ州スラバヤに「スクウェア・エニックス・スマイルワークス」(資本金62万5000米㌦)という新会社を設立した。この会社はスクウェア・エニックスグループ(66%)と五反田電子商事(34%)が出資した会社で、グループ初の東南アジアの拠点となる。
そこで、設立からほぼ2カ月を経過し、ファミ通.comのインタビューに答える同社の代表取締役CEO金丸洋明氏の発言から、同社設立の経緯や運営の現況をレポートする。
東南アジア初の開発会社立ち上げの場所にインドネシアを選んだのは、人口が多く、しかも非常に若い国だという印象があったためだという。インドネシアの人口は2億4000万人だが、肌感覚としては3億人くらいいるのではないかと思われるくらい、とにかく人が多い-と金丸氏。平均年齢は日本が44歳なのに対し、インドネシアは約27歳という。
今回拠点を構えたスラバヤは、スラバヤ工科大学という国で1、2位を争う優秀な大学がある。ただ、現地にはシステム会社が少ない。日本で言うと東京工業大学のようなところを卒業して、しかも日本語を話せるのに、この能力に見合う働き口がなく、そのために実際は家具工場で働いているというような状況が現地にはあるという。
新会社設立の前、昨年11月から同社に入ることを前提に現地採用していて、すでに2チームくらいが日本向けのブラウザゲームやFacebookのアプリなどを手掛けている。現在開発現場の陣容は20名で、バックオフィスをやっている者を含め30名だが、ほぼ全員現地採用だ。
将来的には、インドネシア人が現地向けにゲームを開発して、東南アジアで大ヒットというのが大きな目標だ。とはいえ、最初は日本の高いクオリティーのゲームに携わって勉強していくことが大事-と話す金丸氏。日本語ができる人は現在3~4人で、それ以外はインドネシア語や英語でコミュニケーションを取っている。いままでいろいろな国で会社を運営している中で、ここはとてもやりやすい印象がある。というのは、何か怒ったとしても、彼らは素直に”教えてくれてありがとう”という姿勢で話を聞いてくれるという。それだけ、とにかく勤勉で真面目なのだ。国が伸びてきているので、皆やる気が感じられる-と金丸氏は笑顔で語る。
スラバヤの物価は日本の8分の1。そしてスラバヤ工科大学の学生だけでも数万人の学生がいるだけに、今後とも人材不足に困ることはない。それだけに、この1、2年で少なくとも同社を100~200人規模にはしたいと明言している。