貧困層への現金給付に批判・疑問噴出 政党が分け合う懸念
今月中にも実施される予定の貧困層への現金給付(BLSM)をめぐり、政党の資金調達の場になる懸念や、事業自体の効率性を疑問視する声など批判が噴出している。
BLSMは貧困層への補償の12.5兆ルピアのうち9,3兆ルピアを占める。貧困層の1550万世帯に対して月15万ルピアを4カ月間給付。当初、5カ月を予定していたが、期間が短縮されたため、余剰金となった2兆3100億ルピアを地方でのインフラ開発1兆2500ルピア、警備費3600億ルピア、給付に係る費用2796億ルピアなどに費やそうというもの。
ただ、規模の大きいBLSM予算が、連立与党により来年の総選挙・大統領選の費用に流用されるとの観測が出ている。非政府組織(NGO)「予算透明性フォーラム」は、BLSMは補正予算に賛成した政党が、パイを分け合う形なり得る。汚職のイメージの与党の間で金を分け合うということ-などと批判している。
政府の政策論拠は、燃料値上げに伴う貧困対策がない場合、物価上昇が貧困層に打撃を与え、政府試算では貧困率が10.5%から12.6%まで上昇するとの見立てにある。だが、今のまま予算が執行されても、貧困層への現金給付という本来の目的が”大義名分”として使われ、薄く・浅く貧困層に渡るだけに終わりそうだ。