中国・人民元 対ドルレート20年で最大の下落率
中国・上海の外国為替市場は、2016年最後の取引の12月30日、人民元のドルに対する為替レートは1ドル=6.9495元と、2015年末と比べて7%値下がりした。年間の下落率はこの20年で最大となった。
背景には米国の景気回復と利上げへの期待感に加え、中国経済の先行きへの不透明感などがあり、実際に12月に8年7カ月ぶりの元安水準を記録している。中国の通貨当局は、行き過ぎた元安を防ごうと市場介入を行い、外貨準備高は11月まで5カ月連続で減少している。
こうした一連の状況を米国のトランプ次期大統領は「通貨を意図的に安くしている為替操作国だ」と中国を批判している。
今後も中国当局は元の買い支えを続けるとの観測も出ており、市場介入を強め外貨準備高がさらに減少すれば、経済に対する懸念が高まるため、市場では2017年も元安傾向が続くとの見方が出ている。人民元相場とともに、今後の中国当局の対応が注目される。