日本のGDP ドイツに抜かれ4位転落の可能性

米国、中国に次ぎ世界3位の日本の名目国内総生産(GDP)が4位に転落する可能性が出てきた。ロシアのウクライナ侵攻を契機に、新型コロナからの回復途上の世界経済がまたも減速を余儀なくされ、先行きは見通せないが、遅くとも5年以内に、早ければ2023年にもドイツに抜かれ4位に転落する可能性が出てきた。近年の円安に伴うドルベースの経済規模の縮小に加え、低成長が経済を蝕(むしば)んだためだ。
国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは2022年の名目GDP(予測値)は、3位の日本が4兆3,006億ドル(約555兆円)。これに対し4位のドイツのGDPは4兆311億ドルで、ドイツが約6.7%増えれば逆転することになる。
IMFの予測では2023〜2027年も辛うじて逆転は免れる。だが、2023年時点(予測値)でその差は6.0%に縮小する。日本のエコノミストらは、企業の労働生産性や国際競争力を高める政策をテコ入れしなければ、遅くとも5年以内にはドイツに抜かれる可能性は高いと警鐘を鳴らしている。

1~6月農産物・食品輸出4.5%増も目標には隔たり

1~6月農産物・食品輸出4.5%増も目標には隔たり

農林水産省のまとめによると、2017年1~6月の農林水産物・食品の輸出は前年同期比4.5%増の3786億円に増加した。日本酒や牛肉が過去最高を更新したほか、一時不振だった主力海産物のホタテが回復した。ただ、品目ごとのばらつきが大きく、2019年に1兆円達成を目指す政府目標との隔たりは大きい。
輸出先別では中国が27%増、米国も2%増となったが、台湾、香港はそれぞれ20%、4%減少した。上半期の農産物輸出額は5年連続で前年を上回った。緑茶は27%増の68億円、牛肉は57%増の79億円。このほか、農林水産物の輸出品目別で首位のホタテは3%増の226億円で、一時の不振を脱しつつある。

ベトナム上半期の対内直接投資額5割増 日本1位

ベトナム上半期の対内直接投資額5割増  日本1位

通商弘報によると、ベトナム外国投資庁(FIA)がまとめた2017年上半期の対内直接投資(認可ベース、6月20日現在)は新規・拡張合わせて1,732件(前年同期比3.1%増)、169億8200万米㌦(同50.5%増)となった。国・地域別の認可額で、日本が3割近くを占め1位となった。

ベトナム上半期GDP成長率5.7%、中銀が金利下げ

ベトナム上半期GDP成長率5.7%、中銀が金利下げ

通商弘報によると、ベトナムの上半期の実質GDP成長率は5.7%だった。農林水産業が前年同期のマイナス成長からプラス成長に転じ、サービス業も堅調に推移した。一方、工業・建設業は全産業の低迷もあり、成長が鈍化した。
ベトナム政府は2017年の成長率目標を6.7%としており、ベトナム国家銀行(中央銀行)は、下半期の経済成長の加速を狙って、政策金利を6.25%に引き下げた。

APEC会合 共同声明出せず 保護主義巡り隔たり

APEC会合 共同声明出せず 保護主義巡り隔たり

ベトナム・ハノイで開かれた21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合が5月21日、議長国ベトナムによる議長声明を採択して閉幕した。
「あらゆる形の保護主義に対抗する」と表明したが、各国で意見の隔たりがあり、各閣僚の共同声明にはできなかった。トランプ政権のもと、不公平な貿易慣行の是正が必要だと主張した米国の意見を反映させ、「貿易の恩恵を受けるために、各国の競争条件を平等にすることも必要だ」との文言が盛り込まれた。

米抜き11カ国の閣僚会合でTPPの協議継続で一致

米抜き11カ国の閣僚会合でTPPの協議継続で一致

米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)の参加11カ国の閣僚会合が5月21日、ベトナムの首都ハノイで開かれた。会議はTPPの早期発効に向け、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合に向けて協議を続けることで一致した。
ただ、11カ国には温度差があり、とりわけマレーシア、チリなど米国抜きの発効に慎重な国があり、採択した共同声明には11カ国による発効を目指すという明確な表現は盛り込まれなかった。そして、米国の復帰参加を想定し、その参加を促進する方策を含めた、早期発効に向けた選択肢を検討する手続きを始めることで一致した-との意を明記した。
各国は11月にベトナム・ダナンで開かれるAPEC首脳会議までに、この検討作業を終えることで合意した。

日・タイ 第4次二国間通貨スワップ取極締結

日・タイ 第4次二国間通貨スワップ取極締結

日本銀行とタイ中央銀行は5月5日、第4次二国間通貨スワップ取極(BSA)を締結した。これにより、日本とタイの当局はそれぞれの自国通貨(日本円、タイ・バーツ)を米ドルに交換することが可能になる。交換上限額は30億米㌦。

日・マレーシア 二国間通貨スワップ締結で基本合意

日・マレーシア 二国間通貨スワップ締結で基本合意

日本の財務省とマレーシア中央銀行は5月5日、発動上限額が30億米㌦の二国間通貨スワップ取極(BSA)を締結することで基本合意した。日本の締結主体は財務相の代理人としての日本銀行。これにより、両国は要請があった場合、通貨スワップを通じて米ドルを供給しあうことになる。

北朝鮮の石炭輸出 3月は200分の1に激減

北朝鮮の石炭輸出 3月は200分の1に激減

国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会によると、北朝鮮の3月の石炭輸出量は6342㌧(約58万㌦)と激減したことが分かった。1、2月はそれぞれ100万㌧を超えていた。最大の輸出先だった中国が2月、北朝鮮産の石炭輸入を停止したためだ。
国連加盟国の報告の集計によると、北朝鮮の石炭輸出量は、1月は約144万㌧(約1億2639万㌦)、2月は約123万㌧(約1億459万㌦)だった。したがって、3月は2月比で約200分の1に減ったことになる。
石炭輸出は、北朝鮮にとって有力な外貨獲得手段の一つで、長期化すれば経済へのダメージが大きくなることは避けられない見込み。

「AIIBと協力し需要に対応」ADB・中尾総裁

「AIIBと協力し需要に対応」ADB・中尾総裁

アジア開発銀行(ADB)の50回目となる年次総会が5月4日、横浜市で開幕。ADBの中尾武彦総裁は同日、記者会見し「アジアでは今後、電力や交通などのインフラ整備に年1.7兆ドルが必要になる」と指摘。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)と協力して需要に対応していく考えを示し、「ADBは長い経験を持ち、協力してやっていける」と語った。
5日には日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中央銀行総裁会議が、6日には麻生太郎財務相と中国の肖捷(シアオチエ)財務相をトップとする2年ぶりの日中財務対話がそれぞれ開かれる。