劣悪な飼育環境で死に追いやられる動物たち-スラバヤ
インドネシアのスラバヤ動物園で劣悪な飼育環境が原因で、絶滅危惧種のスマトラトラを含む多数の動物が死に、同国内で政府に対応を求める声が高まっている。同園はジャカルタに次ぐ同国第2の都市スラバヤにある同国最大の動物園だ。同動物園では資金不足による施設の老朽化や一部職員の怠慢などで、2010年に月平均20~25頭の動物が死に、2011年も年間で約130頭もの動物が亡くなったとされている。
民間団体「ジャカルタ動物救済ネットワーク」(JAAN)は7月2日、ジャカルタ市内で記者会見を開き、インターネットで行った同園の施設の改善を求める署名活動の賛同者が3万7736人に達したと発表。飼育されていたスマトラトラ「メラニー」が瀕死の状態にあるとして、飼育環境を批判した。メラニーは15歳のメス。餌に含まれていた化学物質などが原因で消化器系の疾患を抱え、健康であれば100㌔を超す体重が60㌔まで減少。治療のため6月20日、西ジャワ州の動物病院に移送されたという。
スラバヤ動物園は1912年創設の民間施設で約350種、約4200頭の動物を飼育。年間150万人が訪れる人気施設だが、飼育環境の悪化は来園者の目にも明白で、もはや待ったなしの状況にあるようだ。