タナアバンの露店撤去巡りジャカルタ州政府が揺さぶり
インドネシア中央ジャカルタ・タナアバンの露店撤去を巡るジャカルタ特別州政府と露天商との対立は、いぜんとして続いている。露店撤去に伴い、州政府が促しているのが州営市場ブロックGへの店舗の移転だ。この空き店舗は1067戸で、最初の6カ月は賃料無料というインセンティブがついている。ただ、この移転先は3、4階で、店舗スペースは2畳ほどの狭さだという。路上での商売にこだわる露天商にとって移転か撤去か難しい選択を迫られている。
いま一つ不透明なのが戸数の問題だ。州政府は露天商の数を700程度としているが、実際は1000を優に超えるとみられる。つまり、すべての露天商が州政府の要請に従って移転に応じたとしても、現実には同じ場所への移転は叶わない可能性が高いのだ。
早期解決を図りたい州政府は7月29日、ジョコウィ知事が300人以上の露天商が移転先のブロックGへの入居登録を終えた-と語り、反発する露天商に揺さぶりをかけた。さらに州政府は、タナアバンの露店撤去を8月上旬のレバラン(断食明け大祭)までと通告。露天商に早期の決断を迫る形となっている。