リアウ州で太陽光機が現地従業員に通知せず事業を撤退
インドネシアで、日系企業にとって大きな汚点となるような事態が明らかになった。地元紙によると、リアウ州バタム島トゥナス工業団地内にあるコイル生産、太陽光機(本社・東京都府中市)の現地法人「サン・クリエイション・インドネシア(SCI)」で、6月下旬から日本人幹部社員が従業員に通知せず姿を見せなくなり、工場が生産活動を停止したことが分かった。
SCIには7月時点で732人(うち正社員523人、契約社員209人)の従業員が在籍しており、彼らには何の事前通告もなく、ある日突然職を失い、路頭に迷う破目になった。このため、従業員は連日、バタム市議会などで未払い分給与の支払いなどを求める抗議活動を展開している。
バタム地域管理庁(BPK)へはSCIの破産申請も出されていない。したがって、BPKは事実経過を調査中で、現時点では従業員救済のための具体的な方策立案の道筋は全く見えていない。今回の所業を夜逃げ同然の撤退として、従業員は補償を要求している。
従業員によると、6月24日に日本人幹部社員3人がバタム島を離れたとみられ、その後は残ったインドネシア人の従業員が工場を運営していたが、同27日には原料が底をついたため生産活動を停止した。SCIは5月ごろから段階的に生産機械を搬出。撤退準備を進めていたとみられる。なお同社のホームページには、すでにインドネシア工場の情報は削除されている。