国内すべての刑務所が超過密で暴動発生の危機的状況
インドネシア北スマトラ州バトゥバラ県のラブハン・ルク刑務所で8月18日、多数の受刑者らが刑務所に火を放ち脱走するという暴動が起こった。今回の暴動発生の要因について、レバラン(断食明け大祭)恩赦での差別に抗議したものとの見方もあったが、アミル・シャムスディン法務人権相は19日、最大の要因は「施設の超過密状態への不満にある」との見方を示した。そして、同相は国内すべての刑務所で、同様の暴動が起き得る危機的状況にあるとの認識を表明、警察と国軍に警備を要請した。
ラブハン・ルク刑務所には当初、定員300人の3倍近くの受刑者564人、勾留者303人の計867人が収容されていた。暴動が起こる前日の17日にも他の刑務所から49人が移されていた。法務人権省の昨年のまとめによると、国内600の刑務所、拘置所の定員10万2466人に対し、約1.5倍の15万2071人を収容。首都圏では定員880人の中央ジャカルタ・サレンバ刑務所に2592人、同572人のバンテン州タンゲラン刑務所に1917人と、どこも過密状態にある。
今回のラブハン・ルク刑務所の暴動で当初、約30人が逃亡したとされていたが、法務人権省のその後の調べで約100人が逃亡していたことが20日分かった。同日までに34人が捕まったが、麻薬や殺人の罪で服役中だった受刑者らがまだ逃亡を続けている。