インドネシアで牛の飼育頭数減少、食肉自給化政策窮地
地元紙によると、2014年までに政府が食肉の自給率90%を目指しているインドネシアで、牛の飼育頭数が減少をたどり、政策は窮地に陥っている。これは食肉需要が増加して市場価格が上昇し、飼育農家が処理を早めているのが要因だ。同国の中央統計局によると、同国の牛の飼育頭数は今年5月に1420万頭となり、11年6月の1670万頭から約15%減少した。中でも全国最多の380万頭を飼育している西ジャワ州では約24%もの減となっている。飼育農家団体の代表者は同州の状況について、品薄に伴う市場価格の上昇により、農家が母牛となる雌の処理を早めているためで、憂慮すべき状況-と警鐘を鳴らす。
政府は品薄状態を改善するため、今年の牛肉の輸入割当量8万㌧を拡大し、3000㌧を豪州から緊急輸入すると決定した。しかし、昨年も輸入割当量8万5000㌧に対して7000㌧を追加輸入しており、専門家からは政府の自給政策はすでに破綻、失敗している-との厳しい指摘もある。