来年はさらにイの経済成長率が鈍化 2年連続5%台に

 来年はさらにイの経済成長率が鈍化 2年連続5%台に
 世界銀行は10月4日、インドネシアの今年の国内総生産(GDP)成長率について、国際収支の悪化で政府が金融引き締めなどを迫られているため、5.6%に鈍化するとの見通しを発表した。また、来年はさらに成長率が鈍化すると予測、長期化する可能性があるとの懸念を示した。今年の経済成長率の予想を7月発表時の5.9%から下方修正。3月発表時の6.2%から2回目の引き下げとなった。来年はさらに成長が鈍化し、5.3%に下がるとみている。
 経済成長率鈍化の原因として、米国が量的緩和の縮小を示唆したことを発端として、インドネシアなど新興国の資金調達が困難になっていることを指摘した。貿易では、インドネシアの主要な輸出コモディティ6品目の8月時点の価格が 、ピーク時の2011年1月時点から35%下落。一方、輸入超過となっている原油は7%上昇し、財政を圧迫していると説明した。
 インフレ率は、今年6月の補助金付き石油燃料の値上げを受けて、通年で7.3%に高まると予想した。影響は短期的で、今年第4四半期(10~12月)をピークに緩むと見込んでいる。経常赤字は今年3.4%に拡大するが、来年は2.6%に縮小するとみている。今後の財政・金融政策が大きな役割を担うと指摘している。