TPP大筋合意先送り オバマ不在響く ハードル高い年内妥結

TPP大筋合意先送り オバマ不在響く ハードル高い年内妥結
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12カ国は10月8日、インドネシアバリ州ヌサドゥアで首脳会合を開き、年内の交渉妥結に向けて協議を前進させるとの首脳声明を採択した。ただ、知的財産権や環境、国有企業の優遇政策などを巡る米国と新興国の対立は解けず、焦点である関税の撤廃・削減の調整も難航。当初想定していた10月の「大筋合意」には至らず、年内妥結は一段と不透明になっている。
 今回の首脳会合は交渉を主導してきたオバマ米大統領が政府機関閉鎖への対応で欠席し、議長をニュージーランドのキー首相が務めた。まとめ役のオバマ大統領の不在で歩み寄りの機運が薄れ、各国の利害対立が先鋭化。米国とマレーシア、ベトナムなどの対立が解消できなかった。
 今後の交渉のカギは、米国の財政問題の行方だ。今月17日には米債務上限引き上げの期限が来る。この問題の決着が11月にずれ込めば、年内妥結は一気に難しくなりそうだ。